「2003春夏パリコレクションレポート」
Louis Vuitton ルイ・ヴィトン
会場は、自動車企業シトロエンの工場跡地に建てられた巨大な建築物の内部。クラシックなラインにサテン、光沢のあるタフタ、レザー、カシミアといった素材を用いて、今シーズンのテーマである「オールドスクールガール」を表現。ベストやブラウスは胸を開け、ショートパンツ、スカート丈は膝上。アイテムは、ツイードのスーツやバニラ色の水玉プリントがほどこされたピンクのトレンチコート、スカートなど。
新作バックは、村上 隆によるマルチカラーのモノグラムバッグ。ショーでは12色のシャーベットカラーのドレスに身をつつんだ、12人のモデルたちが村上隆のアートワークによるモノグラムのラインのバッグを持って登場。村上 隆はモノグラムを新たにデザインするにあたり、彼のキャラクターを新たにアレンジ。白や黒のバッグの上にマルチカラーのモノグラムをプリントした。
http://www.elle.co.jp/home/fashion/collections/ss2003/show.php?brand=vuitton
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Yves Saint Laurent Rive Gauche イヴ・サン ローラン
発表会場はロダン美術館。パットを入れた鋭角的な上着の肩のライン。胸を大きく開け、ウエストはベルトやギャザーで絞り込み、片方のベストの肩紐をわざと落し、乳房を出して歩くモデル。乳首は黒く塗られ、目には隈のように黒くアイシャドーが引かれる。セクシーさを前面に出したコレクションだ。
シルエットも女性らしさを強調し、肩を強調したドレスや、ボディにピタッとフィットしたスカートが多い。素材はすべてがセクシーな革やきらめくサテンで演出。
http://www.elle.co.jp/home/fashion/collections/ss2003/show.php?brand=ysl
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Alexander McQueen
今シーズンのパリコレベストといわれるのがアレキサンダー・マックイーン。グッチグループへ移籍したことがよい方向に向かっていると考えられている。すそに細やかなディテールがほどこされたスカートに、折り返しのついたブーツを合わせるなど、オートクチュールを思わせる上質な表現にあふれる才能を感じさせた。
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Stella McCartney ステラ・マッカートニー
発表会はもとの株式市場会場で行われ、フェミニンなムードとスポーツテーストを軽やかにミックス。サテンのトップスやブラトップは立体的にカットされ、体にフィットしながら、ゆったりめの衣服のシルエットが女性の繊細さを表現する。絹の透けた布地、網目模様のインナー、V字に開いた胸が、ソフトなセクシーさを表現。
都会の女性が、押しつけがましくなく自己主張する世界が感じられた。
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CHANEL シャネル
シックでセクシーなコレクション。カール・ラガーフェルドが打ち出したのは「ミニ丈」と「ウォーター・スポーツ」。ミニが主流だがシャツやブラウスの胸はV字より、むしろ丸みを帯びたU字で大きくえぐり、柔らかいセクシーさを感じさせるライン。マイクロミニに、衿もボタンもない、軽やかな「ココ・シャネル」風ジャケットを合わせたスタイルに、ジャージ素材のフレアスカートや、ツイードのジャケットとくるぶし丈のパンツでクールにきめたタウンウェアも注目。
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Christian DIOR クリスチャン・ディオール
蛍光色のビキニに超マイクロミニ。腰のところでタイトになった赤いシルクジャージのミニドレスなど、もう、これしかないって感じで、ミニが登場。蛍光ピンクのビキニやメタリックのミニバッグ、強烈な厚底サンダルなどの小物も注目。ストレートなシルエットのパンツや流れるようなラインが美しい麻のパンツも見逃せないアイテム。ショーの最後にはゴールドのテープが吹きあれ、ジョン・ガリアーノが登場した。
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Givenchy ジバンシィ
透けるドレスにビキニを合わせ、肌をのぞかせるヒモ編みドレス。ジバンシーまでもが、セクシーに。白や黒のマイクロミニのスカートにバックルベルト付きのサンダルに始まり、シースルー素材を使ったピンクや白のパーカーやジョギングパンツなど、スポーティールックが続く。肌をのぞかせたワンピース、ほつれたパッチワーク風のジーンズ、布を切り刻み、縫い合わせたポンチョ、モスリンのマイクロミニドレス。切りっぱなしのすそにプリーツやスリットが入り、ヒモをつなぎ合わせ、大きな編み目から肌をのぞかせるオレンジのドレスが観客にアピールする。最後は玉飾りがついた、長いフリンジの水着やワンピース。これらはすべてビキニの上にコーディネートされている。
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CELINE セリーヌ
ピンクにオレンジ、ゴールドを使って、ヴァカンス気分いっぱいのコレクションを披露。ピッタリとした上半身に広がる裾をあしらった刺しゅうのカラコ、長い袖に丈が印象的なカフタン、洗いざらしの風合いをもつビキニ。これらに、コインを使った大きなイヤリング。金の刺繍が施されたペイズリーのモチーフ。金色のドレスにサスペンダーが加わる。
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KENZO
ケンゾーはパリ左岸にある美術学校(ボザール)でコレクションを発表。ミラーを散りばめたスカートにアコーディオン・プリーツ、刺しゅうをほどこしたレザーのパンツ、花や葉の刺しゅう、草花や鳥のプリントでケンゾーらしい女性らしさを表現。
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Chloe クロエ
モデル以上とも評されるボディと外見で注目を浴びるデザイーナーのフィービー・フェローはステラ・マッカートニーのもと、クロエでアシスタントデザイナーを務め、2002年春からデザイナーに就任。29歳の若さもあり、ストリート感覚を取り入れた。最前列に座っていたのはカイリー・ミノーグ。
キーワードは「地中海の島」。鮮やかな白やベージュの絹のドレス、真珠の装飾が付いたモスリン素材やシルク素材の黒のドレス、エキゾチックなテーストを上品に取り込み、都会の若い女性の軽やかさを巧みに表現した。小さなブラトップの水着や肌をすべるジャージ素材のアイテムも、いやらしくなく都会的なデザインに仕上げている。
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Hermes エルメス
あの、エルメスまでもがセクシーの虜に。V字に胸が切れ込んだ袖のないベスト、カシミヤや絹のハイネック、袖のない脇が開いたコート。スカーフ柄のモチーフがプリントされたトップスは、背中を大胆に見せる。シルエットはボディに沿うラインに変化し、大胆に女性の体を美しく見せながら、上質なカッティングやスタイルは、さすがにエルメスという高度な技術を見せつける。また、片方は袖無しで、もう片方はボレロ風のトレンチコートは、マルタン・マルジェラらしい新たなクリエーション。
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Vivienne Westwood ヴィヴィアン・ウエストウッド
工事中の道路に見たてたデコボコの道をモデルが歩く。最初のモデルは、立ち入り禁止のテープをちぎって進む。すり切れ、破れた衣服の重ね着、ほころんだデニムのパンツといったアイテムが次々と登場。
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Jean Paul Gaultier ジャン・ポール・ゴルチエ
フランスの「サーカス13」の女性メンバーがブランコやロープを道具に懸垂や宙返りなどの空中技を披露する中、モデルが舞台を進む。色違いの重ね着や、半分お尻が見えそうなローウェストのパンツに、マイクロミニスカートを合わせた超長めのストレッチパンツ。ウルトラ・ラージサイズのパンツは、ウエスト部分の大きいハトメの穴にひもを通し、さらにサスペンダーを斜めがけしている。サリー風のスカートに着物ガウン、シャツを後ろ前に着たトップスも見逃がせない。
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ISSEY MIYAKE イッセイ・ミヤケ
フランス国立モニュメント美術館で開催され、インビテーション・カードは横尾忠則作。会場の椅子の上に置かれた真っ白な本にかけると、表紙になる。ドレスの表面を飾る、プリーツ地の円い花びらモチーフや、ジャケットの上にうねるようなラインを作り上げたプリーツの布。デザイナーの滝沢直己は、ブランドの象徴的シンボルである「プリーツ」を新しく再生。よりフェミニンに、ソフトに変化させた。
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Dries Van Noten
ポップなカラフルアイテムにエスニック・テーストを加えながら、実用的なファッションに仕上げるのが、ドリス・ヴァン・ノッテンの特徴。今回のコレクションも彼のそうした特性が十分に発揮された。プリント、無地、ブーツ、コットンのシンプルなワンピース、オーバーサイズのトレンチコート、これらをビビットなカラーのアイテムにのせて表現した。
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LANVIN
薄いガーゼ素材の帯で留められたドレスは帯が肩に同化し、透明に見えるため、ドレスが浮いて見えるという錯覚を狙っている。デザインはプリーツやギャザー革ベルトでウエストシェイプされたロングドレス、ギャザーの入った薄い綿や、ドレープのきいた黒いジャージ素材、切りっぱなしの生地で作ったスーツなど多彩。強調された肩のラインのしなやかなシルエットイブニングドレスは、自然なエレガンスさを演出。
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Y-3
山本耀司は「アディダス」の新しいライン「Y-3(ワイ スリー)」にアートディレクターとして参加、新しいラインをスタートさせた。パリ・シャルレッティ競技場の巨大体育館で行われたショーは、モデルたちがベルトコンベアーでできた吊り橋の上や下を通って、登場。スタジアムの観客席に特設されたプライベートサロンから、観客はディナーをとりながらゆっくりとショーを鑑賞できる。黒やブラウン、ブルーマリン地の生地には、アディダスの三本ラインを使い、スポーツウェアだけでなく、実用的な服のラインも登場。フィナーレに登場した大きな花柄プリントのドレスは、会場を盛り上げた。
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