「2003-2004秋冬ミラノコレクションレポート」
PRADA/プラダ
今回のテーマは「大人の女性」。昨シーズンのスポーティーテーストから、戦後をイメージさせる新作を披露。秋冬のトレンドである「'60年代スタイル」に逆らったテーマをミウッチャ・プラダは設定した。Aラインのコートやスリップドレスには、ヘビ革の手袋やスクエアオフヒールを合わせ、パッド入りのシャツは、ブラウンやグレーといった色調のツイードパンツにタックイン。コートはネックラインのあきが美しく、ポイズングリーンのプリントをアクセントにツイード素材を使用。他にもレザーやツイード、ファーなどさまざまな素材を使い、すっきりと上品なシルエットを描く。大胆なプリントはシャツ以外にも、帽子やパンプスにも使われ、ツイードや格子柄と組み合わせてシックに、英国カントリーハウス調のエレガンスを演出。バッグや手袋、ボリューム感あるひざ丈のコートには、ワニ革を使用。黒やブルー、グレープフルーツカラーのワニ革のバッグ&手袋、レザーの持ち手がついたナイロンバッグなどは秋冬の超注目商品。それにメンズライクな帽子やシャツ、フェミニンな花柄のアイテムなど対極のテイストを見事にミックスさせ、程よく崩したベーシックスタイルを発表した。
http://www.elle.co.jp/home/fashion/collections/fw2003/show.php?brand=prada
http://www.asahi.com/culture/enews/K2003030101426.html
http://www.yomiuri.co.jp/collection/milan/prada/main.htm

Gucci/グッチ
舞台には白いバラの花びらが敷き詰められ、コレクションのテーマは、「ボリューム&タイトの対比」。ウエストがしぼられ、体の線が強調された服を披露。大きな襟のコートは、近未来的な印象を与え、サテン地のカクテルドレスにファーのボレロ、ロングブーツ、ブラックレザーの手袋などは秋冬トレンドの目玉。他には、パフスリーブや超ワイドな襟、幅広ベルト付きのブルゾンが登場。襟などのディテールにボリュームをもたせつつ、全体的なシルエットはタイトなものがメーン。アイテムでは、サテン地のカクテルドレス、タイトなパンツなどが注目。ショーの最後には、空から雪のように花びらを降らせ、体に張り付くように仕上げたドレスが並んだ。
http://www.elle.co.jp/home/fashion/collections/fw2003/show.php?brand=gucci
http://www.yomiuri.co.jp/collection/milan/gucci/main.htm

Jil Sander/ジル・サンダー
テーマは「パンク」。タータンチェックをドレスに、ビニールレザーのブルゾンでハードな印象を与えながら、革のリボンがあしらわれたコートを披露。フィナーレには“スイート・エンジェル”“ワイルド・ハート”などとプリントされたロゴ入りTシャツが登場した。
http://www.elle.co.jp/home/fashion/collections/fw2003/show.php?brand=sander

FENDI/フェンディ
SFテーストにスポーティなムードが加わり、職人技を生かしたファー使い、パープル、グレー、ブルーがメインカラーとなったメタリックのトーン、ブルゾンにメルトン(布面が毛羽立った織物)で裏地が作られたジャケット、ジップアップ・スカート、ひざまで届くロングブーツ、ファーやリングで飾られたバッグなどが、注目の的。ツヤのあるレザースカートや、フィナーレを飾ったスパンコールのドレスが、SFムードを引き立てていた。
http://www.elle.co.jp/home/fashion/collections/fw2003/show.php?brand=fendi

miumiu/ミュウミュウ
テーマは「モダン・エレガンス」。レザーのパイピングが効いたツイード、ウールのコート、膝丈のスカート、モヘアの長い手袋、ストラップパンプスなど懐かしいアイテムが多数登場。クラシックなアイテムにも今らしい味つけを施し、赤×黒の千鳥格子のコートはXXLサイズで、マフラーやショールはファー仕立て。ジャケットには細いレザーベルトをプラス。メンズライクなムードのショート丈のローライズパンツや透け感のあるドレス、小物では、リボンやスカーフを巻きつけたハンドル付きのバッグが注目。
http://www.elle.co.jp/home/fashion/collections/fw2003/show.php?brand=miumiu

MARNI/マルニ
カラフルな色使い、鮮やかな黄色や青などさまざまな色や模様を使い、円を重ねたプリントスカートに丸いアプリケを施したTシャツをあわせ、その上にタンクトップを着るなど、重ね着で形やラインの面白さを表現した。全体的に雰囲気はアーティスティック&シックに。レザーのコート、スカート、ベルトなどに施された絶妙な切り替えテクニックも冴えていた。シックなバミューダパンツ、チョコレート色のレザー手袋、そしてロングブーツなどのアイテムも注目。
http://www.elle.co.jp/home/fashion/collections/fw2003/show.php?brand=marni
http://www.yomiuri.co.jp/collection/milan/marni/main.htm

MaxMara/マックスマーラ
最初に登場したのは、打ち合わせに変化をつけた白のコート。黒と白のコントラストの美しさを生かしたスタイルが多く、格子柄やツイードといった伝統的な柄をモダンに仕上げた。
http://www.yomiuri.co.jp/collection/milan/maxmara/main.htm

Etro/エトロ
多彩なテキスタイルを用いて、東洋と西洋が入り混じったベニスの町をイメージ。さまざまな紋様をファーやスパンコールなどで飾り、バイオリンをかたどったバッグや刺しゅうで飾った手袋など小物も披露。
http://www.yomiuri.co.jp/collection/milan/etro/main.htm

Giorgio Armani/ジョルジオ・アルマーニ
例によって会場は安藤忠雄設計のアルマーニ・テアトロ。ショーの始め、白×黒プリントTシャツの上にジャケット、ボトムにはショートパンツに柄入りタイツをはいた、若々しいスタイルのモデル2人が登場。ミニ丈のスカートや、花びらを思わせるフォルムのコート。アイテムに遊び心のあるデザインや、いつも使わない鮮やかな色を用い、コレクションは全体的に若返ったよう。ウエストをなだらかに絞ったジャケットに、軽快なショートパンツ。大胆な柄のタイツで目を引き、色は黒が基調。大胆なカットのトップスと薄手のスカート、バラの模様がほどこされた透けるレースドレスなど、夏を思わせるトップスが並ぶ。ソフトな肩のラインの低いボタン位置のジャケットはワーキング・ウーマンに最適。
http://www.elle.co.jp/home/fashion/collections/fw2003/show.php?brand=armani
http://www.reuters.co.jp/news_article.jhtml?type=entertainmentnews&StoryID=2320781#
http://www.yomiuri.co.jp/collection/milan/giorgio_armani/main.htm

Emporio Armani/エンポリオ・アルマーニ
マイクロミニにギャザーやフレアースカートにワンピースなど多彩。シックな黒でエレガントに仕上げたり、きらきら光る銀の飾りや花をあしらいカジュアルに見せたり。さまざまなデザインを提案した。
http://www.yomiuri.co.jp/collection/milan/emporio_armani/main.htm

Missoni/ミッソーニ
波やジグザグなど得意とする柄に、オプティカルプリントなど近未来風の味付けを加え、ボリュームのあるピンクのニットブルゾンにシルバーのミニスカート、カラーファーのストールやショールなど伝統の柄を若々しくモダンに仕上げた。
http://www.elle.co.jp/home/fashion/collections/fw2003/show.php?brand=missoni
http://www.yomiuri.co.jp/collection/milan/missoni/main.htm

Dolce&Gabbana/ドルチェ&ガッバーナ
働く女性を意識したセクシーなスーツなどの新作を発表。メンズのジャケットやベストをカットして肩や背中部分でクロス、ストレッチ素材のジャケットは背中部分にゆとりを持たせ、ウエストを絞って砂時計のようなフォルムに仕上げた。
http://www.reuters.co.jp/news_article.jhtml?type=entertainmentnews&StoryID=2313124

D&G
ロンドンから招いた女性DJが回す音楽に乗って始まったショーは、タータンチェックやストライプといった伝統的な柄を、ショッキングピンクやグリーンといった派手な色で仕上げ、カラフルなプラスチックボタンやリボンで飾ったハンチングなどパンクな雰囲気を漂わせた。フィナーレはイタリア語で平和を意味する「PACE」のレインボーカラーのタンクトップを披露。
http://www.yomiuri.co.jp/collection/milan/d&g/main.htm

Moschino/モスキーノ
アートディレクター、ヴァンサン・ダレにロッセラ・ヤルディーニを中心にしたデザインチームが担当する今回のモスキーノ。会場は80年代のディスコ風。マドンナのヒットメドレーに乗って、モデルがセクシーに踊る。スカートはミニ。だまし絵風のパッチポケット、スパンコールのコートにレトロなプリントのトレンチコート、時計や水道のパイプを思わせるベルトにモンドリアン柄サングラス、電球のイヤリングなど小物もユニーク。
http://www.elle.co.jp/home/fashion/collections/fw2003/show.php?brand=moschino
http://www.yomiuri.co.jp/collection/milan/moschino/main.htm

Emilio Pucci/エミリオ・プッチ
ブランドの特徴である色鮮やかなプリント柄がさまざまなバリエーションで登場。スキーウェア風のデザインからオートクチュールを思わせる繊細なドレスまで幅広く、カラフルなファー付き帽子にプッチ柄のコンビネゾン。金のブレスレット、蛍光色のサングラスなどの小物もかわいい。
http://www.yomiuri.co.jp/collection/milan/emilio_pucci/main.htm
http://www.elle.co.jp/home/fashion/collections/fw2003/show.php?brand=pucci

Gianfranco Ferre/ジャン・フランコ・フェレ
セクシーなハード路線を打ち出した新作を発表。注目はチョークストライプの袖。ひじまで折り返したり、クリームホワイトのオーガンザ素材のサッシュベルトと一緒に、腕に巻きつける着こなしを提案した。ミリタリー調に尖らせた肩にはバラ飾りをあしらい、ゴールドのヘビ皮ブルゾンにはカメオブローチ、柔らかなシルク素材のコンバットパンツにはジッパーやチェーンを合わせた。
http://www.reuters.co.jp/news_article.jhtml;jsessionid=KSS2COB5WEMYSCRBAE0CFEY?type=entertainmentnews&StoryID=2316070

Alberta Ferretti/アルベルタ・フェレッティ 
会場は、市内の公園に設けられたテント。冒頭に登場したのは、赤と紫のエナメルコートや可憐なプリーツやテープで飾ったドレス。光沢のあるセクシー・ムードのレザーにミニ丈のドレス。フェレッティらしい幻想的な世界観を残しつつ、素材やディテールでセクシーさを表現。ドレスはミニ丈。リボン飾り、ダチョウの羽根飾り、きらきら光るフリンジ、レトロなプリントなど、セクシーテーストをロマンティックなドレスとコーディネートし、新たなスタイルを提案した。
http://www.elle.co.jp/home/fashion/collections/fw2003/show.php?brand=alberta
http://www.yomiuri.co.jp/collection/milan/ferretti/main.htm

ANNA MOLINARI/アンナ・モリナーリ
ロッセラ・タラビー二は、ピンクやラベンダーといった淡い色を重ねたペチコートドレス、大きなボタンがアクセントになったコートやパンツ、フリルやフリンジで飾ったなど、可憐な印象の服を並べた。ティアードドレスがかわいい。
http://www.yomiuri.co.jp/collection/milan/molinari/main.htm

BLUMARINE/ブルマリン
会場にはバラの花ときらきら光る銀の星。ピンクや薄い水色など甘い色合いと濃いブルーの服が登場。銀のビーズやスパンコールで飾ったミニドレスに毛皮のストールを合わせて、かわいらしさと、ゴージャスな魅力を表現。
http://www.yomiuri.co.jp/collection/milan/blumarine/main.htm

TREND LES COPAINS/トレンド レ・コパン
かつてはデザインチーム制をとっていたが、現在はイタリア・サルディーニア島出身のアントニオ・マラスがデザインを担当。招待状は、パリとイスタンブールを結ぶオリエント急行の切符。会場には大きな機関車や街灯を据え、枯葉舞う駅の風景を再現。最初に登場したのは、肩を強調し、ウエストを絞った貴婦人風のスーツ。ベールのついた帽子や大きなパールのベルトなどの小物で、1920年代から30年代の優美な雰囲気を漂わせた。
http://www.yomiuri.co.jp/collection/milan/les_copains/main.htm

BYBLOS/ビブロス
複数のデザイナーからなるデザインチーム制をとるビブロスは、ニットやキルティングなど多彩な素材を使ったマイクロミニスカート、孔雀のプリントのパーカなど、凝ったプリントで未来感覚やスポーツテーストを打ち出した。
http://www.yomiuri.co.jp/collection/milan/byblos/main.htm

Antonio Marras/アントニオ・マラス
2000年から「トレンド レ・コパン」のデザイナーも兼任しているアントニオ・マラスの今回のモチーフは、スペインのカタルーニャを治めていた14世紀の女性君主エレノア・ダルボレア。繊細な手仕事が施されたパンツスーツにワークブーツ。黒や茶など暗い色を使い、布やアクセサリーを幾重にも重ねた重厚なデザイン。会場には石をぶら下げた壁を作り、フィナーレにはベルリンの壁が崩壊するように、その石の壁を一気に壊す凝った演出。 
http://www.yomiuri.co.jp/collection/milan/antoniomarras/main.htm

Borbonese/ボルボネーゼ
2001-2002年秋冬からアレッサンドロ・デラクアをデザイナーに迎えたボルボネーゼの今シーズンは、ファーを使ったブルゾンなど、スポーツ感覚。メタルや羽で飾ったブーツやスカート、ラインストーンで飾ったブーツなどでセクシーさを演出した。 
http://www.yomiuri.co.jp/collection/milan/borbonese/main.htm

AIGNER/アイグナー
ドイツのミュンヘンを本拠地とし、創業者エティエンヌ・アイグナー氏のイニシャル「A」と蹄鉄マークのロゴでも知られるアイグナーは、今シーズンからミラノで活躍するオーストリア国籍の女性デザイナー、イネス・ヴァレンティニッシュをデザインチームに迎え、ミラノで初のランウェイショーを開いた。枯葉が舞台に舞う演出で幕をあけたショーは、千鳥格子やチェックなど伝統的な柄を使い、秋の日差しや木の葉の色を思わせる落ち着いた色合いの服を披露。乗馬パンツやミニのプリーツスカートに、チェーンや革のベルトなどワイルドな小物をあわせたスタイル。落ち葉を貼り付けたり、フリンジをあしらったバッグもかわいい。 
http://www.yomiuri.co.jp/collection/milan/aigner/main.htm

Ermanno Scervino/エルマノ・シェルヴィーノ
エルマノ・ダエリ氏が97年からスタートした婦人服ブランドだが、ランウェイショーは今回が初めて。今夏には青山に路面店をオープンする予定。ショーは、ワークパンツやダウンコートといったアイテムを刺しゅうやレース、毛皮で飾り、後半はピンクのシルクやシフォンを使った優雅なドレス。
http://www.yomiuri.co.jp/collection/milan/ermanno/main.htm

Alessandro Dell’Acqua/アレッサンドロ・デラクア
今秋からランジェリーの一流メーカー、「ラ ペルラ」のプレタポルテ・デザイナーにも抜擢されたデラクア。ざっくりと着るセーター、XLサイズのパンツ、ジッパー付きブルゾンなど、カジュアルなセクシースタイルを披露。
http://www.elle.co.jp/home/fashion/collections/fw2003/show.php?brand=dellacqua

MASKA/マスカ
2002年4月からイギリス・リバプール出身の、サイモン・キーンがデザインチームに加わったマスカ。ショーの前半は、英国風のジャケットやパンツ。後半はスイングジャズの調べに乗せて、スパンコールやビーズのフリンジ、テープが揺れる服を並べた。イメージは、1920年代のシカゴ。毛皮やスパンコールをふんだんにあしらい、凝った細工がきいた贅沢な服がそろった。
http://www.yomiuri.co.jp/collection/milan/index.htm

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