「2004-2005秋冬ミラノ・メンズコレクションレポート」
Gucci グッチ
トム・フォード最後のグッチメンズコレクションはナイトクラブのようなパーティー。ランウェーは、豪華で、魅惑的。周囲には、セクシーな男性および女性のダンサーがポールに沿って踊り、各モデルはたばこを吸い、Gのロゴが入ったカットグラスでウィスキーを飲む。バックに流れるのはKhiaの「My Neck My Back」。
革、カシミアに毛皮、黒を中心にまるでフォード・スタイルの遺言のよう。「私は自分自身に尋ねました。グッチは私のすべてだったと。それは、快楽、ぜいたく、歓喜に関係しています」とトム・フォード。ロングフィットのコート、クラシックなツイードのジャケット、白のパンツにクロコダイルの靴、どれもが完璧なスタイルで続く。
ラスト、トム・フォードが、ボタンをあけたシャツにビロードのスーツ姿で現れると観客はスタンディング・オベーションで彼を称えた。
春夏のウェスタンスタイルはいまいちでしたが、今回ちょっと感傷的になっているせいか、チェスターフィールドコートも、ストライプのスーツもレザージャケット、アーミー風コート、後半のタキシード以外は完璧でした。お金持ちで今回のコレクションをすべて買い取るという人がいても不思議はないような気がします。

Giorgio Armani ジョルジオ・アルマーニ
ミラノコレクション、ラストを飾ったアルマーニは、「メトロセクシャル」がテーマ。タフガイではなく、優しい男性とスポーティな英国カントリースタイルをミックス。
優雅なスタイルのビロードのスーツの幾つかは女性モデルが着用し、カシミア・セーター、シルクのイブニングウェアに、ルーズフィットなパンツ、ジャケットの下にはTシャツ。
イブニング・ウェアは、絹とジャージで作られ、フォーマルでありながらソフト。新しく提案した「ジョージ」ジャケットは、ソフトなショルダーラインにセーターのような生地がフェミニンな印象。「それは非常に快適です」とアルマーニ。
「ショーのテーマである、メトロセクシャルは、マッチョとマイルドを組み合わせる人のために発明された名前です。男性に対して女らしさを要求すること、それはジェンダーではなく美学の問題です」。
客席にはカール・ルイスにサッカー選手、ACミラン所属のウクライナ代表、アンドリー・シェフチェンコ(Andriy Shevchenko)。ケネディ大統領の妹で、シュワルツネッガーの義母、知的障害者の祭典「スペシャル・オリンピック」の創立者、Eunice Kennedy Shriver。アルマーニは、このイベントを支援している。

Emporio Armani エンポリオ・アルマーニ
エンポリオ・アルマーニはミラノのダウンタウンのディスコで開かれ、ジャケットは薄く、まるでセーターのようで、逆にシャツは、ジャケットのようなポケットやボタンが付けられている。シルクのパンツには、暗やみの中で光る道路工事の作業員のような光るストライプが入る。また、ショーではニューラインとして、アスレティック・ウェアがスタートすることも明らかにされた。コードネームは「EA 7」。

Calvin Klein カルバン・クライン
カルバン・クラインのItalo Zucchelliは黒を基調にシンプル&シック。細身のシルエットが美しい。ウールの帽子がアクセント。

Ralph Lauren ラルフ・ローレン
ラルフ・ローレンはカラフルでウォーミー。シックなウーステッドスーツでもインには、タブカラーの赤いチェックのシャツを組み合わせる。

Neil Barrett ニール・バレット
前半は、極地探検のようなハードウェア。後半はシックながらも、遊び心が入ったスーツのコレクション。一部では「新たなミラノの星」と評価されています。

PRADA プラダ
プラダはシックでシンプル。黒のロングコートやジャケットの中にはニットやTシャツを合わせ、色もダークブラウン、黒、チャコールとたまにベージュがはさまれる程度。後半はナイロンブルゾンなどややスポーティ。ミウッチャ風ミニマニズムを表現した。

miumiu ミュウミュウ
ミュウミュウは、スポーティなコレクション。モデルは、スニーカーや、ブーツに加え、サッカーシューズを履き、手にはナイロンのグローブ。モータースポーツやバイク、スキーウェアのような服が並ぶ。「スポーツからイメージを得たのか」と聞かれたミウッチャは「スキー?いいえ、私は単に頑丈さや、強さを望んだけよ」とコメント。また、レトロ・フューチャーなプリント、大きなバックルのベルトも特徴的。

Jil Sander ジル・サンダー
ジル・サンダーは、やっぱり構築的なコレクション。麻にカシミア、ビロード、上質な素材を用いたシンプルルック。スポーツウェアにもカシミアを使用。

Vivienne Westwood ヴィヴィアン・ウエストウッド
ヴィヴィアン・ウエストウッドは思ったよりもシックなスーツの慎み深いコレクション。サッカーに代表されるスポーティとトラディショナルを融合。ジオメトリックプリントのブルゾンが目立っていた。ショーの最後にデザイナーに赤いバラの花束を手渡したのは、英国のサッカーチーム、チェルシーのゴールキーパー、Carlo Cudicini。

Gianni Versace ジャンニ・ヴェルサーチ
ヴェルサーチは、黒、チャコール、ダークグレーのチョークストライプのスーツを数多く披露。ストライプジャケットにデニムを合わせたり、 合間にレザージャケットにボタンが外されたシャツ、ベージュや白のコート、レディスのセクシーなホルターネックドレスをアクセントにしていた。一方、ヴェルサスは50年代風。パンク、V字型に裂かれたTシャツ、レザージャケットなど。最前列に座るのは、ACミランのAndriy Shevchenko。

Burberry バーバリー
バーバリー・プローサムのクリストファー・ベイリーは、アクセサリーが充実。フラットキャップに、スカーフ、マフラー。バッグも短く斜めがけされたメッセンジャーバッグから手提げまで豊富に用意されている。マフラーはバーバリーチェックもあるものの多様な柄を用意。それがスーツだけでなく、スクールボーイ風ニットや 黒いトレンチと組み合わされ、レザーコートが美しい。太目のパンツも新鮮。

Pringle プリングル
プリングルは秋冬にもかかわらず、青いスーツや赤いコートなど、明るい色を提案。アーガイルはスーツの中に着られたニット、ネクタイにも使われ、赤いロングマフラーが可愛い。キルトスカートにニーソックスまで登場。アーガイル模様のジャケットにチェックのベストやパンツなどアーガイルよりもチェックが目立っていた。60年代のモッズ・スタイルを提案。

Dolce&Gabbana ドルチェ&ガッバーナ
ドルチェ&ガッバーナの今回のテーマは、フェリーニの「甘い生活」。トレビの泉を思わせる舞台に、クラシックなスタイツのスーツはそのまま、マルチェロ・マストロヤンニを思い起こさせる。ショーの後、ドルチェは「今回はシンプルにエレガンスに回帰してみたんだ」と語った。

Roberto Cavalli ロベルト・カヴァリ
Roberto Cavalliは、シックな色合いが多い2004秋冬コレクションの中であえてカラフルな色彩を提案。白のジャケットやジーンズにひざ上ブーツ、スキーウェアを思わせるダウン入りのレザージャケットなどを提案した。

Etro エトロ
エトロのショーは、カラフルなスーツを着たサルバドール・ダリのようなスタイルの口ひげモデルで始まる奇妙なコレクション。他にもカール状のあごひげのモデルが着用するカラフルなパステルカラーのチェックのスーツ、ショールもまぶしく、鎧も登場。青、赤、グレーのグレンチェックでさえカラフルに感じる。後半は白がメーンだが、カラフルさは変わらず、斜めがけされたバッグや丸いポーチなどバッグも注目。

Dsquared2 ディースクエアード
ディースクエアードは、暖かく、カジュアルでかつセクシー。彼らのルーツを思わせるようなコレクション。英国やカナダ調のコートやブルゾンを発表。

Costume National コスチューム・ナショナル
構築化された青、黒、茶のコート。ロングもショートもあり、それがレザーのパンツやタートルネックと組み合わせられる。

ALEXANDER McQUEEN アレキサンダー・マックイーン
ミラノで最も注目のコレクションはミラノのランウェーにはないといわれたアレキサンダー・マックイーン。マックイーンは南ミラノのショールームで展示会形式によるコレクションを開催。コレクションはサヴィル・ロースタイルとモッズの融合。テーマはワントワープへの旅、滑らかな長い黒いフロックコート。シャーリングのコート、ラミネートデニム、ボイルウォッシュされたウーステッドウールにストーンウォッシュされたサテン。

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