「2005-2006秋冬ミラノコレクションレポート」
PRADA プラダ
プラダは黒のノースリーブワンピースでスタート。黒のシックなワンピースが続いた後、キャメルのフライフロントのコートが登場。丈はすべてひざ丈でシンプル。ベルトでウエストを締めた黒のスーツ。肩や胸にリボンを飾ったコート、羽のように見える刺しゅう、プリントのコートでさえもミニマリズム。ラスト、ミウッチャは白のワンピース姿で登場した。
「私はこのコレクションを非常にシリアスに感じています。私たちは再びミニマリズムについて話しています、しかし、それは悲しいものでもなく、低下させるものでもありません。昨年、私たちは、問題から逃げるためにファッションを使用しました。今、私たちはより現実的で、より本質的な姿を現す必要があります。私は肉感的ではなく、タフだけどロマンチックなものを望みました。黒は非常に重要な色であり、再び戻ってきています。もう、色やプリントに飽きているのではないかしら」とミウッチャ。
他がフリルやプリント、レースを発表する中、またもやミウッチャは一人、先に進んでいます。個人的には最高に好みですが、かつてのプラダを思わせる分、評価は分かれるかもしれません。ロボットや風景のプリントよりも、私はこちらが好きです。ミニマリズムなんですがフェミニンで、セクシーです。

Gucci グッチ
グッチのアレッサンドラ・フェキネッティのオープニングに登場したのは、キャンペーンモデルでもあるNatasha Polyが着た黒の刺しゅう入りミリタリーコート。その後も、黒を中心にミニタリーなコートが続く。ヴェルヴェットのスカート、ナポレオンカラーのジャケット、タフタのバルーンスリーブのブラウス。後半にはバック・プリーツやビスチェ・トップス、様々な刺しゅうを施したチューブドレスが登場。
ドライビング・グローブやチェーンのトート、クロコダイルのブーツとアクセサリーもフェミニン。
「私は正確なエレガンスを望みました。しかし、私はより親密なものを見つけたかった。私たちは、既にグッチをよく知っています。そこで、私はより親密でより詩的なものが欲しかったのです。だから、私はビクトリアン朝な帝国スタイルを見つけました」とファキネッティ。

Jil Sander ジル・サンダー
ジル・サンダーが去った後、残ったデザインチームが仕上げたコレクション。ミリタリーテーストのコート、グレイのメルトンコート、ウエストを高い位置でベルトを締めたコートに、ノースリーブ。ラストはスパンコールのドレス。
どうしても、ジル・サンダー女史がどこまで手がけていたのかが気になります。

FENDI フェンディ
フェンディでは、肩章付きのスリムなミリタリーコート、カーディガンジャケット、ウィリアム・モリス・パターンのジュエリーが登場。ファーをふんだんに使用しながら、割とシンプルなコレクション。

miumiu ミュウミュウ
ミュウミュウは、白シャツに黒のスカート、英国風のチェックのコートでスタート。続いて白のブラウスに黒のスカートと清楚なスタイル。キルトのスカートなど、黒を中心に、チェックやペイズリーなど柄を多用したシャツやコートが登場。

Pringle プリングル
プリングルの会場はミラノ市内の劇場。シラカバの木を並べ、招待状もシカの形。植物プリントのブラウスに、カーディガン。スカートには、様々なチェックの柄が使われる。

MARNI マルニ
コンスエロ・カスティリオーニのマルニは、いつもよりシックで、色もモノトーンが目立つ。でも可愛らしさは変わらず。後半もカラフルというよりは水彩画のように色をあしらい、ひざ上のスカートやハイソックス。腰に巻いたリボンやビーズのネックレス、バルーンスカートもキュート。

MaxMara マックスマーラ
マックス・マーラは、白の毛皮コートに、雪の結晶模様のニット、タイトなニットにフリンジ付きスカートやバルーンスカートを合わせた。

Burberry バーバリー
バーバリー・プローサムのクリストファー・ベイリーは2001年にブランドを引き継いで以来、ベストと称されるコレクション。ストライプのマフラーに帽子ブレザーというスタイルでスタート。ゴージャスな毛皮のコートにフリルのワンピース。グレンチェックのパンツにネイビーコート。マニッシュなスタイルのジェマ。ツイードやグレンチェックのコート。ラストはシックなエムパイアラインのドレスで締めくくった。レースアップのニーハイブーツ、レトロなサングラス、レザーのドライビングウローブ、ニットのコサージュ、フラットキャップ、バーバリーチェックをフューチャーしたバッグなどのアクセサリーも注目。流れる曲はジョン・レノンの「Love」。「私の心はヨークシャーにありました。しかし、私の精神は1960年代のロンドンを揺り動かしました」とベイリー。

DAKS ダックス
DAKS初のミラノコレクションは、ブランドを象徴するチェック柄がパンツやコートになって登場。デザイナーはTiziano MazzilliとLouise Michielsens。トレンチにツイード、デビュタントスタイルのスカート、ヴェルヴェットカラーのコート。

Etro エトロ
エトロのテーマは「ダダイズム」。鮮やかな色を使った幾何学模様やペイズリーを様々な素材で組み合わせ、花柄のコートにチェーンのバッグやヒョウ柄のバッグが登場。

Giorgio Armani ジョルジオ・アルマーニ
ジョルジオ・アルマーニの会場はいつもの通り安藤忠雄が設計したアルマーニ・テアトロ。アルマーニは本人が「思慮深い女性のための新しい宣言書」と語ったコレクション。従来のエレガンスに加えて、すそをしぼったブルマ型のパンツに構築的なジャケットを合わせ、巨大なカラーのコート、ウエストを露出したボレロ、肩を尖らしたスーツ、ゼブラ柄のジャケットやコートにスカートなどユニークなスタイルが数多く登場。一方で、後半の黒を中心にしたノースリーブのドレスでは、優雅なレースなどで、エレガンスは健在(でも、皆ユニークな帽子をかぶっている)。
さすがアルマーニ。クチュールとはしっかり区別してきました。

Emporio Armani エンポリオ・アルマーニ
エンポリオ・アルマーニはミニスカートをメインに若々しさを感じさせるコレクション。ヴェルヴェットのジャケット、Aラインコート、豪華な毛皮、ベレー帽。「私のニュー・ウーマンは先天的にエレガンスを持っています」とアルマーニ。

Dsquared2 ディースクエアード
ディースクエアードのケイティン兄弟はカナダにちなんだプリントが施された白のワンピースでショーはスタート。レザーブルゾンにプリーツスカート、天使が描かれたデニム、クロスが描かれたニット。ハイネックセーターの胸には「Jesus Loves Me(イエスは私を愛しています)」の文字。
ラスト、ケイティン兄弟はパープルのイブニングドレスを着たNatasha Polyと共にスーツ姿で登場。

Missoni ミッソーニ
ミッソーニのジグザグ・プリントは微妙に形を変えて袖やスカートに使われる。ホルターネックにラップドレス、ペンシルスカート、ウエストをキモノの帯のように留めたプリントのロングジャケット。Vネックのインナーに同じようにウエストを帯で留め、羽織るのはフード付きのボアコート(半てんのように見える)。流れる曲はユーリズミックスの「Here Comes The Rain Again」。

D&G
D&Gの床にはキラキラ光る金粉がちりばめられ、天井にはミラーボール。Tレックスやロキシー・ミュージックなど70年代のロックが流れ、テーマは「ヴィクトリアン・パンク」。シフォンのブラウスにミニスカート、金でコーティングしたデニムのジーンズ。ベビードールにレースのブラウス。

Dolce&Gabbana ドルチェ&ガッバーナ
ドルチェ&ガッバーナは、ベルト付きのファーコートを着たクロエ・セヴィニーでショーはスタート。60年代風の雰囲気ながら、ミニや毛皮が多数、登場。ボーダーのカットソーにチェーンつきのゴージャスなデニムをあわせ、中盤にツイードやグレンチェックで英国風になるものの、それでもスカートはミニ。公判は白と銀の光り輝くイブニングドレス。

Gianni Versace ジャンニ・ヴェルサーチ
ヴェルサーチの ドナテッラ・ヴェルサーチの最前列にはエリザベス・ハーレーなどのセレブと並んでDSquaredのCaten兄弟とミウッチャ・プラダの姿も(これが、また、いろいろと噂を呼んでいます。財政的に苦しいといわれるヴェルサーチをプラダが買収とか。プラダも、もはやそんなに裕福ではないんですけどね)。
ウェアラブル(普通に着られる服)ながらセクシーなコレクション。白い、幅広のベルトで留めたコートでショーは開始。ビッグラペルのジャケット、滑の部分をくりぬいて身体にフィットしたワンピース。メドゥーサ・アイコンはブーツのトップなど、一部に使われるのみ。後半のイブニングでは往年を思わせる片脚をほとんど露出させたドレスや、マーメードライン、ジュエリーを縫いつけたドレスを披露。Daria Werbowy、Carmen Kass、Gemma Ward、Karen Elsonといったヴェルサーチのスーパーモデル・ラインアップも健在(ジェマって、こういうセクシーさも表現できるんだって違うところで感心)。
ドナテッラは「これはシックではなく、クール。私はシックが嫌いなの、それって時代遅れじゃない?」とコメント。感想を求められたミウッチャは「私はショーを楽しみました。とくに後半のドレスは美しかったと思います」と感想を述べたが、ヴェルサーチを着るかどうか聞かれると「そうね、でも私は自分のブランドの服を着ると思います」と答えた。

Moschino モスキーノ
モスキーノのクリエイティブディレクター、Rosella Jardiniは、シルクのパンツスーツ、ツイード、ミリタリージャケットにパンツを合わせ、パフスリーブのサテンドレスが登場。ストライプのブラウスに首にスカーフ、羽ばたく鳥が描かれたドレス、金のブローチ、タフタのドレスはセクシーに身体の線を浮き立たせる。

Moschino Cheap and Chic モスキーノ・チープ・アンド・シック
モスキーノ・チープ・アンド・シックの招待状は「APOCALIPSTICK」の文字が書かれた口紅のピンバッチ。真っ赤な口紅をつけたモデルたちがカーテンや壁紙のような模様のスカートに、ランプシェードを思わせる帽子、カーテンのタッセルをイメージしたベルトなどで登場。

Emilio Pucci エミリオ・プッチ
クリスチャン・ラクロアのプッチは、黒のハイネックワンピースを着たジェマでスタート。次は一転してプッチプリントが登場した後は、またもや黒一色のブルゾン。黒をメーンに間にカラフルなワンピースや蛍光色、金のコートが現れる。フィレンツェのルネサンスをイメージしたという今シーズンは、黒に金色やブロンズなどを加えた重厚な色遣いが特徴。ラストはジェマが幾重にも折りたたんだようなアシメトリーなドレスを披露。

BOTTEGA VENETA ボッテガ・ヴェネタ
ボッテガ・ヴェネタのトーマス・マイヤーは、上質レザーのトレンチコートでスタート。Aラインコート、ジャージドレスに、ラグジュアリーなファー、ベルベットのジャケット、メタリックなドレス。ラストのカラフルで流れるようなドレスまで、すべてがクラシックでシンプルながらゴージャス。かごバッグ、トート、ひざ丈のブーツなどアクセサリーも注目。メンズも同時に披露し、こちらもスーツ中心にシック。オレンジのネクタイが目を惹く。

ALBERTA FERRETI アルベルタ・フェレッティ
アルベルタ・フェレッティはコートにミニスカート、ロングブーツのスタイルでスタート。Aラインの一つボタンコート、ウエストをリボンで留めたコート、リボンをあしらったドレスなど可愛い服が並ぶ。

BLUMARINE ブルマリン
ブルマリンの会場には豪華なシャンデリアがつり下げられ、流れる曲はクイーンの「ボヘミアン・ラプソディー」。マリー・アントワネットのベルサイユをイメージして、バラのプリントや刺しゅう、バルーンスカートやジャケットに、シフォンのスカートを合わせ、「はかなさの中にある女性の強さを表現したかった」とアンナ・モリナーリ。

Antonio Marras アントニオ・マラス
アントニオ・マラスの会場には電信柱と電線。背景の白いスクリーンには青空の映像。列車に乗っているかのように風景が後ろに飛び去っていく。ミリタリー風のカーキのジャケットにスパンコール。透けるレースのブラウスにボリュームのあるスカート。モチーフにしたのは、1920年代に活躍し、メキシコに移住したイタリアの女性カメラマン、ティナ・モドッティ。

Pollini ポリーニ
ポリーニのRifat OzbekはコラボしたPhilip Treacyの帽子とGeorgina Goodmanのシューズも注目されるコレクション。いきなり、トレーシーの羽飾りをつけたヒョウ柄の帽子が登場。毛皮のジャケットにプリントのワンピース、カラフルなツイードのジャケットにワイドパンツ。「20年代のハーレムにアール・デコ、アフリカと旧ソ連に影響を受けた『トータリー・エスニック』なショー」とRifat Ozbek。

Roberta di Camerino ロベルタ・ディ・カメリーノ
ロベルタ・ディ・カメリーノは四半世紀ぶりにショーを開いた。舞台の上につり下げた輪を使って、ダンサーがアクロバットを披露する脇をモデルが歩く。50年代に発表したポケットのだまし絵つきのバッグにちなみ、セーターやジャケットにもだまし絵のポケットがあしらわれ、60年代に発表したジグザグ模様はダウンジャケットやセーターに、70年代の幾何学柄は、布を重ねた立体的な柄となって登場。

MENICHETTI メニケッティ
ロベルト・メニケッティは一言で言ってしまうとシンプル。シェイプされたライン、マスキュリンパンツ、カーディガン、シックなワンピースに腰を銀のチェーンで巻く。

[Gin and it]

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