Sweetface スィートフェース
NYコレクションの最終日に開かれ、もっとも注目を集めたジェニファー・ロペスのデビューコレクション。ショーは「ウェスト・サイド・ストーリー」からインスピレーションを受け、タイトルは「J. Lo Story」。黒いテントの中
にクリスタルで覆われたランウェイが設置され、椅子は格子状に並べられる。
劇場形式の舞台では、デニムの短パンやパンツ、カシミアのセーター、花をあしらったベビードールや、サテン、クリスタル、さらに、毛皮をあしらった作品などを披露。ナオミ・キャンベルは、ホールターネックのイブニングドレスで登場した。舞台は3部構成で、ロペスの人生の節目に対応し、第1部は黄色を背景にブロンクスでのスタート、第2部は赤で音楽でのキャリア、そして第3部にはリムジンとヴェルヴェットのロープで現在のライフスタイルを表現。第1部にデニムや腹部を露出したトップス、ジップアップのスウェット。それがやがて、シルクシフォンのジャンプスーツや、白いファーのケープなどゴージャスなスタイルへと変化していくき、フィナーレに流れるのは彼女の最新アルバム「Rebirth」。J. LOはショーの最後に全身白に身を包んで登場した。
「J. LOを本物のファッションブランドにしたかったの。ライフスタイル・ブランドで、クオリティ、スタイル、ファッションがそろっていて、ずっと残るもの」とロペス。
NYのプレスは同日に開かれたコレクションと比較して「ラルフ・ローレンのエレガンスも、ダナ・キャランのような創造性もないが、注目に値する」と評価。「NYコレクションの記事をどれか一つしか書けないのであれば、取り上げるのはジェニファー・ロペスでしょう」。
Marc
Jacobs マーク・ジェイコブス
マーク・ジェイコブスはダウンタウンの兵舎で1時間半遅れてショーを開催。カシミヤ、毛皮やスパンコール、ベルベットなど上質な素材を用いて、Aラインコートやバルーンスカート、花のコサージュのラップドレスなどを披露。2005秋冬のマークはガーリーだけど、かなりシック。最前列にはビヨンセ、ジェイ-Z、ユマ・サーマン。
モデルにはリリー・コール、ヘザーやジェマが登場。
ショーの開始が大幅に遅れたのは、服を縫うのが間に合わず、ぎりぎりまで縫製していたとの話もあるが、ユマ・サーマンは開始予定時刻に現れ、観衆とともに静かに待っていたものの、大幅に遅れてビヨンセと恋人のジェイ-Zが登場。このため、二人が遅刻したために開始時間をずらしたとの憶測が流れ、二人が着席すると大きなブーイングが起こった。
マイケル・コース Michael Kors
マイケル・コースのテーマは「アメリカン・サラブレッド、クーパーからクルーニー、オードリー・ヘップバーンからグウィネス・パルトロウまで」、ハリウッドの女優を意識し、グレイの3ピーススーツに赤いマフラーのメンズモデルと赤いコートの女性モデル(まさにパルトロー・スタイル)でスタート。スポーツウェアをラグジュアリー素材で上質に提案し、カシミアのブルゾン、ファーコートなどの間にジュエリーが散りばめられたカクテルドレス、ピーコートなどが登場する。
最前列にはドナルド・トランプとMelania Knauss夫妻(結婚後、メディアに登場したのはこれが始めて)。
CALVIN KLEIN カルバン・クライン
カルバン・クラインは黒のストラップレスドレスで始まり、黒のミニマムなドレスが続く。格子状の縫い取りや加工を加え、カシミアのドレスに、ニーハイブーツ、ミンクのコート。モデルはすべて、髪をアップにし、Carmen
Kassに、Natalia Vodianovaらが登場。
カルバン・クラインの精神を引き継ぎながら、初めて自身のビジョンも表現したと評価された。
最前列には「Maria Full of Grace」でオスカー主演女優にノミネートされたCatalina Sandino
Moreno。
Luca Luca ルカ・ルカ
ルカ・ルカのルカ・オルランディ(Luca Orlandi)はプリントの花柄バルーンスカートにトレンチ、ワンピースにプリーツドレス、赤いカシミアのミリタリーコートなどを披露。アンゴラやカシミヤのコート、絹のドレスは光沢を強調している。
最前列にはパリスとニコルのヒルトン姉妹。Veronica
Webb、 Carol Alt、Irina、 Rebecca Romijn、 Jerry O’Connell、Mya、 Elisha Cuthbert、 Finola
Hughes、 Lauren Ezersky、 Padma Lakshmi、 Salman Rushdie。ショーの後、パパラッチに囲まれたアナ・ウィントゥアーは、「正直にいえば、これが私にとってはじめてのルカ・ルカのショーです。でも、私は彼のスタイルとセンスが好きです。それはファッションの今を示しています」と述べた。
Zac Posen ザック・ポーゼン
ザック・ポーゼンのテーマは「蛇」。複雑に縫い合わされたドレスなどで、その技術力の高さも示した。ギリシア女神風のシフォン・ローブ、金のメタリックなマーメードラインドレスはエジプトの女王風で、スカートも複雑なフリルで風にそよぎ、プリーツも波立つ。レースのブラウスまで、ゴージャスでフェミニンなコレクション。最前列にはクレア・デーンズ、アシュレイ・オルセン、アン・ハサウェイ、ベット・ミドラー、ビジネス・パートナーであるショーン・ジョン。
モデルさんのマスカラが濃すぎるような気がしますが、個人的にはNYのベスト。
Anna
Sui アナ・スイ
アナ・スイはリオのカーニバルから戻ったナオミ・キャンベルでスタート。20世紀中ごろのテキスタイルデザイナーらにヒントを得た。カーディガン、Aラインコート、ひざ丈スカート、細身のパンツ、グレンチェックが特徴的。ラストには再びナオミが登場。
Donna
Karan ダナ・キャラン
ダナ・キャランはバラの花のようなフリルの立体襟が数多く登場。大胆に体に巻き付けたニットドレスには、コサージュを加え、ミリタリースタイルのジャケットにはシフォンのブラウスとフリルのスカートを合わせる。フィナーレは、シルク・タフタでコルセットスタイルのイブニング・ドレス。
Narciso Rodriguez ナルシソ・ロドリゲス
ナルシソ・ロドリゲスは、いつものようにシンプルでミニマムなコレクション。前半は白と黒のモノトーンを中心に、間に赤が差し込まれ、後半にはピンクや金が使われる。ウエスト位置は高めで、まるでブラトップのようなベスト、胸に刺しゅうを施したローブなども登場。流れるようなシルエット、素晴らしいカッティングが続く。
最前列にはパリス・ヒルトンと愛犬のチワワ、「ティンカーベル」。
DKNY DKNYはアルゴンクインホテルで展示会形式で発表。前回に続き、スタイリングは「セックス・アンド・ザ・シティー」のパトリシア・フィールドが担当し、モデルはマネキン。貴族からインスピレーションを得て、丈の短い上着の上から太いベルトを締め、すそにひだを寄せて見せるコーディネートを提案。グレイフランネルのストラップレスドレス、ヴェルべットのジャケット、フリルのスカートと20年代風。「DKNYはニューヨーカーのためのパーソナルなスタイルです」とキャラン。「人々がどのように服を着なければならないか命令するのではなく、私はオプションを示したいのです」。ダナ・キャランはスキーで骨折して松葉づえ姿で登場。
MARC BY MARC JACOBS マーク・バイ・マーク・ジェイコブス
MARC by MARC JACOBSは、デニムのバルーンスカートに青いチェックのハーフコートでスタート。マークらしい、ガーリッシュに古着、ストリート感覚をミックスさせた。タフタのドレスや襟なしブラウス、ボーダーのニット、すべてが、どこか懐かしい雰囲気。ワイドレザーベルト、水玉のバッグ、ネックレス、穴のタイツなどアクセサリーも注目。
Ralph
Lauren ラルフ・ローレン
ラルフ・ローレンは彼が集めている「ビンテージ・レーシングカー」がテーマ。古き良き時代の自動車に乗る装いからヒントを得た。高級カシミヤのコートや革ジャンなどはグレーから始まり、刺しゅうで銀を加えて白黒の格子柄、黒へと移る構成。フランネルのスーツ、カシミアのドレス、シルクのゴージャスなビーズドレス。すべてがシンプルながら美しいシルエットを描く。 Richard
Tyler リチャード・タイラー
デルタ航空の新制服を同時に披露したRichard Tyler。チケットは搭乗券で、新制服はネイビーストレッチウールのシャツドレスにミッドナイトブルーのジャケット、スカートのスーツスタイル。同時に同様のクチュールバージョンも登場し、こちらはエンジでAlek
Wekが着用。その他、銀のチュールガウンなども披露し、フィナーレは、Alek
Wek、Elaine Irwin、Niki Taylorがラップドレスなどで閉める。
Baby Phat
テレビのトークショー「ライフ&スタイル」のホストで、ヒップホップのラッセル・シモンズの妻、Kimora Lee
SimmonsのブランドBaby Phat。テーマは、「トーマスクラウン」と「ボンド・ガール」。ジェームズ・ボンドのテーマがヒップホップサンプリングで流れる中、ビッグサイズのスポーティウェア、ロングスウェードのブーツ、ブラックレザーのドレス、サテンラペルのグリーンツイードのスーツが登場。ブラウスやパンツにもスリットが入り、セクシー。ニーハイブーツにクモの巣型のツートーン・ストッキング。同時にジュエリーライン、高額の「Kimora Lee Simmons」と、より低額の「Baby Phat Diamond Diva」も披露。
最前列にはアシュレー・オルセン、ミッシー・エリオット、リル・キム、ポーラ・アブドゥル、Tori
Spelling、 Vivica Fox、 Shannen Doherty。
VIVIENNE TAM ヴィヴィアン・タム
ヴィヴィアン・タムは1940年代のハリウッド女優と中国の「京劇」がテーマ。ハイウエストで細身のスカートに、ブラウスなどを合わせて優美なラインを描いた。 Cynthia
Rowley シンシア・ローリー
1月26日に娘を出産しばかりのシシンシア・ローリーのテーマは「ぜいたくなキャンプ」。アウトドアのモチーフを盛り込み、ロマンチックさに快活さと自然な雰囲気を加えた。フィナーレではモデルが懐中電灯を手に登場。
NICOLE MILLER ニコル・ミラー
ニコル・ミラーはバイキングをテーマに38点を発表。場所はニューヨーク・ヨットクラブ。北欧のモチーフを織り込みながら、マリンとエスニックを現代的にアレンジ。 KENNETH COLE ケネス・コール
ケネス・コールは、スポーツラインから、ダッフルコートやベストを軽やかにしたアウターが中心。3ピーススーツにナイロンのパーカー。インナーにはタートルネック・セーター。
Diane Von Furstenberg ダイアン・フォン・ファーステンバーグ
ダイアン・フォン・ファーステンバーグのテーマは、ロシアの女性。精神はアンナ・カレリーナ(Anna Karenina)とNatasha Filippovnaのシックなコレクション。ショーはウエスト・ヴィレッジのオフィスで開かれ、シグネチャーであるラップドレス、ウズペクプリント、黒のスパンコール、ジャカードのダブルのミニジャケット、シルク・コサックのパーカー、ギャバのミリタリー・ピーコートが登場。「ロマンス、ドラマ、そしてロシア」とダイアン。
最前列にはジェイド・ジャガー、Candace Bushnell、Veronica
Webb、Salman Rushdie、Padma Lakshmi。 CATHERINE MALANDRINO キャサリン・マランドリーノ
キャサリン・マランドリーノは仏の作家で「青い麦」の作者、コレットとモンパルナスから主題を得て、「米仏折衷スタイル」を打ち出した。 Heatherette へザレット
ヘザレットは、マイクロミニのスーツやスカート、バルーンスカートなど明るい色やキャラクターを取り入れたキュートなコレクション。 Diesel ディーゼル
ディーゼルはデニムを中心にしながらも、フェミニンなコレクションを披露。デニムは、ツイードのコート、ラッフルスカート、ジャージのドレス、エスティックなビーズのジュエリーなどと組み合わせられ、ストリート風やカウガールなスタイルを披露。NYコレクション進出でハイエンドイメージを作り出すことに成功した。
Jill Stuart ジル・スチュワート
ジル・スチュアートは刺しゅうが施されたベルトを腰に巻いた黒のロングコートでスタート。フリルのワンピース、レイヤードのスカート、ヴィクトリア朝のようなネイビーコート、ロングなヴェルヴェットスカート、マーメードライン。ロマンチックで可愛いスタイルが続く。
CAROLINA HERRERA キャロライナ・ヘレラ
キャロライナ・ヘレラは、タイトなワンピースでスタート。毛皮のコート、赤いプリントのワンピース、ツイードのスーツ。「春夏は結構、簡単なのよ。なぜって軽いから。でも、秋冬コレクションを軽く見せるのは難しいのよね」とヘレラ。最前列にはレニー・ゼルウィガー。
Nanette Lepore ナネット・レポー
ナネット・レポーは70年代のヒッピーやフォークロアの影響を色濃く受けながら、ロマンチックな少女風に仕上げた。
Matthew Williamson マシュー・ウィリアムソン
英国人デザイナー、マシュー・ウィリアムソンは、NYのフリーメーソンのクラブハウス、The
Grand Lodge Hallでショーを開催。プリントのコートとブーツでスタートし、カシミア、フランネル、金のジャカードなど上質な素材を用いたエレガントなコレクション。青いグラデーションのスカートも繊細で、彼の特徴であるエンパイアーラインも健在。
最前列にはソフィー・ダール。 Proenza Schouler プロエンツァ・スクーラー
プロエンザ・スクーラーは60年代のパコ・ラバンヌやクレージュに捧げるようなコレクション。チェーンベストや幾何学的なカシミアミニドレスにシフォンのローブ。小さな鏡を縫いつけたスカートやブラウス。オセロのような白と黒のコインを縫い合わせたスカートにベスト。スパンコールのブラウス。その中に彼らのシグネチャーともいえるビスチェ・トップも忘れずに登場。
60年代のクレージュを着たオードリー・ヘップバーン的スタイルが数多く登場していました。なんか、二人は別れるという噂がちょっと前に流れて、一緒に住んでいたアパートを引き払って別々に暮らし始めたのが、その噂の出所らしいのですが、そういった意味でも注目を浴びたコレクションでした。 Custo Barcelona クスト・バルセロナ
クスト・バルセロナのテーマは「モスクワのお仕立て」。ロシアを基調に、プリントの多彩さをみせた。
Roland Mouret ローランド・モーレット
フランス人デザイナー、ローランド・モーレットは40年代ロマンと「危険な関係」がテーマ。Carmen
Kassの青いタイトなフェルトドレスでショーは始まり、ハイウエストのペンシルスカート、チェックのタイトドレス、フィッシュテールラインのドレス、ツイードや千鳥が登場し、コートはベルトの下で対角線上にボタンで留められる。 United Bamboo ユナイテッド・バンブー
高校時代に渡米した日本人の青木美帆と、ベトナム生まれのツイ・Q・ファムによるユナイテッド・バンブーはアートギャラリーで28点を発表。鮮やかな黄色や水色のセーター、ピンクと銀色のパンツが続き、カラフルな展開。 Imitation
Of Christ イミテーション・オブ・クライスト
イミテーション・オブ・クライストのタラ・サブコフ(Tara
Subkoff)はトラックスーツにデニムパンツなどスポーティなスタイルでスタート。続いて、ミニのワンピースやスーツやオフショルダーの帯ドレス、Aラインのポンチョ風ドレス、片袖がないテーラードジャケットなどが登場。
ジェームス・コヴィエロ James Coviello
ジェームス・コヴィエロはアメリカンレトロの雰囲気が漂うコレクション。
アレキサンドル・ヘルシェコヴィッチ Alexandre
Herchcovitch
アレキサンドル・ヘルシェコヴィッチはモデルの後ろに、それぞれ楽隊がついて演奏する趣向。細かいフリル、大きめに結んだボウタイ、ロングマフラーなど、すべてマルチカラー。
Tuleh チューラ
チューラのBryan Bradleyは毛皮とレースで高級感と遊び心を両立させたコレクション。シックで上品、大人っぽいコレクション。トラディショナル。 Jerry Kaye for Perry Ellis
Jerry KayeによるPerry Ellisのメンズウェアコレクション。フロント部に3つのポケットがついたジャケットにスリムなパンツ。ジーンズにオリーブ・チェックのジャケット。カシミアのクルーネックセーター、ホワイトジャカードのボタンダウンシャツ、カシミアのショールカラーカーディガン。Jerry Kayeは今回のコレクションが、「確信と強さを持っている人」向けであることを明らかにした上で、「ウォーレン・ビーティ、ショーン・コネリー、ロバート・レッドフォード、彼らはすべて素晴らしいスタイルを持っていました。でも、現在では、有名人には必ずスタイリストがついていいます。結果的に、誰もが偉大に見えますが、個性がありません」とKaye。 John Bartlett ジョン・バートレット
バートレットには、白いヴェルヴェットのパンツ、黒とクリームの千鳥格子のブレザー、スワロフスキー・クリスタルのイブニングウェアが登場。 Coach コーチ
コーチは2005年秋の新作展示会をニューヨーク市内の本社ショールームで開いた。「昨秋がアップタウンを意識したスタイルだったとしたら、今年の秋は確実にダウンタウンスタイルを意識した」と、リード・クラッコフ。パッチワークの大きなトートバッグや、カラフルなスエード製の房飾りが注目。 [Gin
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