「2006春夏NYコレクションレポート」
L.A.M.B.(Love. Angel. Music. Baby.)
NYコレクションラストを飾ったグウェン・ステファニのL.A.M.B.。前半はブロンクスをテーマにへザー・マークスやナオミ・キャンベルが登場し、トラックスーツやウィンドブレーカーなどスポーティな印象。やがてミリタリー風のジャケットやテーラードスーツ、花のプリントのドレスなどを挟み、パイソンプリントのキュロットなどロックなイメージに。ラストは白い花を持ったノースリーブのウェディングドレスを着たリリー・コール。
「このショーのインスピレーションは私の生涯。私はファッション界のためにこれを行っているのではありません。私は私のためにそれを行っています。私は、まだ私自身がベイビーであることを知っています。でも、私はまだ出発しようとしたところであり、これを長い間続けていきたいと考えています。だから、まだ、私にあまり厳しくしないでください」とグウェン。
フィナーレに登場したグウェンはアナ・ウィントゥアーと抱き合い、最前列にはレニー・クラビッツ、フェイス・ヒル、ニッキー・ヒルトン、ケリー・オズボーン、アシャンティ、パフ・ダディ。

Marc Jacobs マーク・ジェイコブス
マーク・ジェイコブスはマーチングバンドをリードするバトンガールでショーはスタート。前回は、大幅に開演時間が遅れたが、今回は25分遅れで開始。前半はショートコートに白のワンピース、白のブラウスにスカート、赤いVネックのセーターに、プリーツスカート、赤のブラウスにタイといったスクールガール風。後半はブラックタキシードのスーツ、金のペチコートドレス、サテンのラップスカートなどエレガンスな服を披露。
最前列には、ソフィア・コッポラ、ユマ・サーマン、キルスティン・ダンスト、リンゼー・ローハン、セルマ・ブレア、Desperate HousewifeのEva Longoria、パフ・ダディ、ナオミ・キャンベル、キャロライン・マーフィー、ジミー・ファロン、Mary J Blige、Kristen Davis、そしてマリア・シャラポワ。

Zac Posen ザック・ポーゼン
マーク・ジェイコブスのショーに訪れた数多くのセレブも霞ませたといわれる今回のザック・ポーゼン。セクシーで軽やか。バブルスリーブのジャケットに金のドレス。大きな帽子。ホルターネックのドレスに斬新なシルエット。後半のジェマのブラックドレスまで完璧なスタイル。「年を取ったボーイフレンドとサルジニアへ旅行する女性をイメージしてください。それはビーチでの散歩に始まり、雲の中のベッドタイムで終了します」とザック。最前列にはナオミ・キャンベル、マリオ・テスティーノ、ケリー・オズボーン。
その旅行する女性になりたいという声が多かったとか。ある意味今回のNYのベストかもしれません。

マイケル・コース  Michael Kors
マイケル・コースはレースのスカートにジャケットスタイルのキャロリン・マーフィーでスタート。ウエストをレザーベルトで締めた大きな花柄のワンピース。茶のトレンチにポンチョ風ケープ。コースはパンフレットに今回影響を受けたものとして「南西部の果てしない地平線と青い空による楽観主義」と記した。最前列にはマイケル・ダグラスとキャサリン・ゼタ・ジョーンズ夫妻。

Y-3
今回からNYに移った山本耀司のY-3。正面に、ダムの水門を思わせる巨大な門を配置。白いランウェイはアディダスのスリーストライプに合わせ、3本用意された。スポーティながらシックなスーツ。スリーストライプは帽子やスカートの裾など、あちこちに施され、「Y-3」のロゴも水着の胸やパンツの裾、Tシャツなどに数多く登場。モデルはサッカーボールや、「Y-3」のロゴが入ったボールを持ち、ネクタイにもスリーストライプ。脚の部分に人の顔がプリントされたデニム。フォトプリントのジャケットなどを披露。
最前列にはアリシア・キース、Anna Kournikova、Latifah王妃。

CALVIN KLEIN カルバン・クライン
エアコンが故障し、観客は配られたパンフレットを団扇のように扇ぎながら観賞することを余儀なくされたフランシスコ・コスタのカルバン・クライン。「最悪の環境」と評された(アナ・ウィントゥアーはこのためショーが始まる前に席を立った)ショーは白のエンパイアラインのドレスを着たナタリア・Vでスタート。シフォンやジョーゼットなど白の軽やかなドレスが続く。

Anna Sui アナ・スイ
アナ・スイは1910-20年代に発行されたフランスのファッション雑誌からインスピレーションを得たコレクション。パラソルを持ったナオミ・キャンベルでスタートし、淡いパステルカラーに植物や花のプリント。ハイウエストのワンピース。スモック・ドレス。ラストには再び銀のきらびやかなドレスを着たナオミが登場。「彼女の服はスウィートでガーリー」とキャロリン・マーフィー(Carolyn Murphy)。
モデルもジェマ、ジェシカ、へザーとそろえ、可愛いコレクションだったのですが、話題はナオミの疲れた表情に集まりました。今回、ナオミは「ハリケーン被害に寄付すれば、無料でも出演する」と公言しており(なんでもモデルの初期に撮影に訪れたのがニューオリーンズで、思い出の場所らしいです)、あちこちに出演した分、さすがにお疲れなのではないかという噂です。ナオミとアナ・スイは古くからのお友達なので、そういうことがなくても出演したとは思うんですが。

Donna Karan ダナ・キャラン
ダナ・キャランのインスピレーションはNYのモダン・アート美術館。現代アートのJackson PollockとPaul Kleehがジャケットやコート、ドレスにグラフィティ・プリントを施し、前半のモノートンから中盤に一気に色が踊りだす。「すべては素早く移動し、色を飛び跳ねて前進します。クラシックに新しい光と空気が注がれ、純粋なシルエットはウエストを上げ、雲のように浮かびます」とダナ・キャラン。 

Narciso Rodriguez ナルシソ・ロドリゲス
今シーズンから新たに開始するメンズラインも同時に発表したナルシソ・ロドリゲス。白のワンピースでスタートし、最初に登場したメンズ服も白のスーツ。白のジャケットに黒のスカート、あるいは逆に黒のカットソーに、白のスカート、黒のメンズスーツとモノトーンが続く。モノトーンの切り替えが見事なワンピースを着たジェマ・ウォードが登場。

REBECCA TAYLOR レベッカ・テイラー
レベッカ・テイラーは、クリーム色や白のシルクドレスなどで、全体として優しくロマンチックな印象。白やオレンジの生地を使い、「オリガミ」のアプリケをアクセントにした黄色のドレス、小さな穴をたくさんあけて模様を描き出したブラウスなども登場。

DKNY
今回もマネキンによる静止プレゼンテーションを行ったDKNY。パーク・アベニューのレストランで行われたコレクションはプリントやデニムのドレス、バルーンスカート、ストラップレスのシフォンドレス、フラワープリントのチュールドレスなどが登場。

MARC BY MARC JACOBS マーク・バイ・マーク・ジェイコブス
マーク・バイ・マーク・ジェイコブスはシフォンのサマードレスににペンシルスカート、フリルのグレー・コットンTシャツ。色はパステル調の淡い色彩が主流。

Ralph Lauren ラルフ・ローレン
青と白のボーダーのタンクトップにショートパンツ、金のバッグで始まったラルフ・ローレン。色違いのボーダーの後、白のパンツに黒のブラウスを合わせたジェマが登場。青のストライプのスーツ。色鮮やかなケープ。ラストはマーメードラインのドレスのジェマ。「気楽なセクシー。ラルフ・ローレンの女性は自分のスタイルでファッションを定義します」とラルフ。

Diesel ディーゼル
ディーゼルは和太鼓の演奏でショーが始まり、テーマは、1940年代のアメリカと日本の異国情緒。日本の着物に着想を得た刺しゅう。着物の柄を思わせる花柄のベルトなどを披露。

Vera Wang ヴェラ・ワン
今年のCFDAアワードを受賞したヴェラ・ワンのショーのテーマは「マティスとワイルドウエスト」。ペチコートに大草原ドレス、ラベンダーシルクのコルセットジャケット、白のコットンシャツにブロケードスカート、ダークグリーンのタフタのスカート、ケープジャケット。「そのフェミニンな特徴にもかかわらず、服をあまり着せてもらえなかったマティスのモデルに服を着せてみました」とヴェラ・ワン。

KENNETH COLE ケネス・コール 
NYコレクション、トップを切ったケネス・コールはショーの前にウーピー・ゴールドバーグが出演したビデオが流れる。「私は、ワースト・ドレッサーに何年も載っています。あと、このセリフを言うことができるのはシェールだけです」とゴールドバーグ。シースルーのトップスにパンツルックのリリー・コールでスタート。スポーティかつシンプルなパンツルックにショートコート。ブルーデニムに青や黒のワンピース。ケネス・コール自身は黒地にレッド・クロスのTシャツで登場してハリケーン被害の支援をアピール。舞台裏では出演したモデルたちも寄付を行っていたという。

Luca Luca ルカ・ルカ
植物プリントのインナーに上着を羽織ったリリー・コールでスタートしたLuca Orlandiのルカルカ。植物プリントのスカートをはいたへザー・マークス。白地に小さないちご模様が入ったコート。花柄のノースリーブワンピース。黒やオレンジや黄色を配したカラフルなプリントワンピースに青いリボンが蝶の形にウエストを結んだAdriana Limaらが登場。

Heatherette へザレット
ヘザレットのショーのタイトルはボブ・ディランがジョーン・バエズのために書いた曲「Love Is A Four Letter Word」。60年代風の水玉模様に大きな帽子、Jackie Oサングラスが登場。

Jill Stuart ジル・スチュワート
ジル・スチュワートは刺しゅうを施したミニのベビードール風ワンピースでスタート。裾にフリルやレースを施し、デニムやミニスカート、レースのドレスが数多く登場。水着のトップスもシースルーのレース。フラワープリントのワンピース。

LACOSTE ラコステ
ストライプのジャケットにシャツと白いパンツでスタートしたChristophe Lemaireのラコステ。ワンポイントのVネックセーターにストライプのポロ。ストライプのワンピースにボーダールック。ストライプを中心に色は緑と赤、白。ブランドの基であるテニスウェアテーストは残しつつ、現代的かつフォーマルにアレンジ。

Tommy Hilfiger トミー・ヒルフィガー
今年でブランド創立20周年を迎えたトミー・ヒルフィガー。ショーに先立ち、ブランドの歴史を振り返る映像が映し出され、100人のモデルが登場。シグネチャーともいえる青と白のストライプにチェックが数多く登場。素肌にコートやジャケットを羽織り、国旗柄のパンツに錨プリントのスカート。「私たちは再びクラシックスを再発明しています。私たち、アメリカのデザイナーはそれとはを知らずに、世界で何かを確立しました。私たちは、世界をカジュアルにするのを支援しました」とトミー・ヒルフィガー。最前列にはパリス・ヒルトン、テレビドラマ、「Desperate Housewives」のJesse Metcalfe。

Tuleh チューラ
Tulehのブライアン・ブラッドリー(Bryan Bradley)は、薄い白い生地に花柄を浮き立たせたドレスを着たリリー・コールでスタート。ストラップレスのシフォンドレスにプリントのワンピース。後半はミリタリー風のコートに、テーラードスーツ。

Diane Von Furstenberg
フィナーレで、照明が客席に落下し最前列のエディターが怪我をする事件がおきたDiane Von Furstenberg。ショーはそのまま中止となり、出席者は外に出され、エディターは救急車で運ばれたが、軽傷だという。「la Dolce Diva」と名づけられたコレクションには、シフォンのガウン、プリントの繊細なワンピース、襟なしジャケットにトレンチコート、水玉プリント、植物プリントの2ピース、60年代ローマスタイルの服が続く。「より大胆に」とファーステンバーグ。

United Bamboo ユナイテッド・バンブー
青木美帆とベトナム人のThuy Phamによるユナイテッド・バンブーでは、薄いジャージー素材を使ったクリーム色のドレスが次々に登場。カラフルなプリントのインナーに、後半はモノトーンでシック。

Imitation Of Christ イミテーション・オブ・クライスト
冒頭にスカーレット・ヨハンソンが、マリリン・モンロー風のハイウエストのブルーデニムにタバコを持って登場したTara SubkoffのImitation of Christ。白のブラウスにブルーデニム、デニムのオーバーオール。前半はデニムが続く。クロップド・ジャケットにタンクトップ、ホットパンツ、ダンガリーのドレス。後半は可憐なブラウスに、ストラップレスのミニドレス、ピンクのギンガム。ラストはハンドペイントシフォンのバレリーナスタイル。最前列には、ジミー・ファロンとLiev Schreiber。

Derek Lam
「失われた楽園」がテーマのDerek Lam。ひざ丈のAラインドレスにパフスリーブ。色は白、カーキ、黒。ペンシルスカートにエンパイアラインのガウン、清楚でエレガンスなコレクション。

Bill Blass ビル・ブラス
Bill BlassのMichael Vollbrachtは、ブラスのシグネチャートもいえるデイドレスとパンツスーツを特色としたコレクション。ライラック・ペイズリーのストラップレス・シルク・プリントガウン。ミニのサファリ・ドレス、ギンガムのパーティ・ドレス。

Baby Phat
Kimora Lee SimmonsのBaby Phatはラジオ・シティ・ミュージック・ホールでショーを開催(エミー賞でも使われるこの場所がファッション・ショーに使われるの初めてのこと)。シフォンとシルクのトップスにレザーの水着、ラインストーンのTバックのドレス、ホルターネックのドレス。

Betsey Johnson ベッツィー・ジョンソン
ショーのタイトルは「La Petit Betsey」。パフ・スリーブのドット・ドレス。ベイビードールのトップスにラッフルズショーツ。
最前列にはパリスとニッキーのヒルトン姉妹、ケリー・オズボーン、ヨーク公夫人。ランウェイはパリの通りをイメージ。「今まで見た中で一番のファッション・ショー」とケリー。「全部が大好き」とニッキー。

Coach コーチ
ニューヨーク市内のショールームで展示会を行ったコーチ。赤や朱色のスエードやレザーで描かれた大ぶりのポピーの花。真っ白な革のトートバッグや、「C」のモノグラムを描いたバッグにポピーのアプリケをのせた。モノグラムは、今シーズンから「C」の文字をやや大きくしたデザインを取り入れた。

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