「2003秋冬パリ・オートクチュールコレクションレポート」
ジバンシイ
ジュリアン・マクドナルドが再び、オードリー・ヘプバーンをイメージさせる50年代のハリウッド黄金時代的な趣の新作を発表。ミッドナイトブルーやオーベルジーヌ(ナス色)、暗灰色など全体的に暗めの色使いのビロード・ドレスなどで、高めのネックラインをアクセントに、ビーズをあしらったレ―スから肌をのぞかせたドレスなどが並んだ。オートクチュールにしては実用的な服。しかし、来年のオスカー授賞式を狙うには最適。

ラクロア
クリスチャン・ラクロワは、ラテンフレーバーあふれる作品。黒いベルベットのリボンが付いたレース帽をかぶったモデルらが、レースの縁取りで柔らかさを加えた黒いサテンのフレアーパンツ、光沢のあるタフタのフラメンコスカートなどを披露した。

シャネル
中世をテーマに、暗い回廊の間をモデルが歩き回り、カイリー・ミノーグおよびバネッサ・パラディが客席からショーを見つめる。フィナーレには、雪の女王を思わせる白いドレスを着たリンダ・エヴァンジェリスタが登場した。
http://www.reuters.co.jp/news_article.jhtml;jsessionid=0D0Z032GZNG5ECRBAEZSFEY?type=entertainmentnews&StoryID=3058452

クリスチャン・ディオール
ダンシング・ディオール!クリスチャン・ディオールはバレーからタンゴ、カンカンまで、様々なダンス衣装の要素を取り入れた作品が並んだ。ジョン・ガリアーノは、「最近訪れたインドで子供たちの踊りにフラメンコとの共通点を見たことから、ダンスが世界に与えている影響に思いをめぐらせ、ディオール流ダンス衣装を作ることを思いついた」と説明。長いフリンジをあしらったタイトな黒いサテンのドレスや、ふわふわしたパステル調のチュチュ、ショーガールの羽根飾りをアクセントにした作品も登場。ガリアーノは、それらが「身体のまわりでダンスをする衣服」であると語り、母親に教わったフラメンコをもとに、このショーを先週、亡くなった父親に捧げたことを明らかにした。パリ郊外の競技場で行われたショーには、米俳優ジャック・ニコルソンや女優エリザベス・ハーレーらも出席した。

ジャンニ・ヴェルサーチ
ドナテッラ・ヴェルサーチは、パリのリッツ・カールトン・ホテルにおいて展示会方式でプライベートショーを開催。2002年の決算が400万ユーロの赤字で、金融難も噂されるヴェルサーチだが、明るく、セクシーな羽毛で飾られたガウンや、白いミンクを並べた。
http://www.reuters.co.jp/news_article.jhtml;jsessionid=F5GTMPM2IPHK4CRBAE0CFFA?type=entertainmentnews&StoryID=30511392004

ヨウジ・ヤマモト
例によって、オートクチュールコレクションの前夜に他に先駆けて次シーズンのプレタポルテを発表した山本耀司。青、灰色、赤、紫のボディーペイントや芸者を思わせるローブ。アディダスの3本線も登場し、エレガントなショルダーレスドレスには、宇宙船のような帽子やヴェールを合わせ、耀司がファッション界の最前線にいる存在感を示した。 

レヴィヨン(Revillon)
レヴィヨンのクリエイティブ・ディレクターに指名されたリック・オウエンス。パリ、オートクチュールコレクションの期間中に開催された2003秋冬コレクション(リスト非掲載の出展)でデビューを飾った。レヴィヨンは1723年に設立され、毛皮会社としてスタート。2003年、トレンドセッターへ復帰するべく、アメリカからリック・オーエンスを迎え入れた。レザーに加え、ニット、バッグ、シューズのフルラインで展開する。
リック・オウエンス(RICK OWENS)は現在41歳。ロスアンジェルスをベースにし、2002年2月14日「2002秋冬コレクション」でニューヨーク・デビュー。2002CFDAアワードで新人賞受賞。2003秋冬はパリに発表の場を移し、2003年3月にレヴィヨンのクリエイティブ・ディレクターに就任していた。コレクションでは、ポスト・モダンの感覚を備えたシルエットを、正面に大きくつけたジッパー、丈の短いスクエアのレザーブルゾン、銀のサテン袖、ハイカラー、ギリシャ女神を思わせるジャージ・ローブなどで表現。また、彼らしいひざ上までのブーツは今秋冬の注目商品。

[Gin and it]

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