「2004-2005秋冬パリ・メンズコレクションレポート」
Helmut Lang ヘルムートラング
ラングは、自分がブラック・スーツ・マスターであることを再び証明した。インナーには、タートルネックや赤いネクタイ、青のコート、茶のシューズが組み合わせられる。中盤には金のジャケットやベージュのコート、白いTシャツ、白いスーツ、素肌にジャケットが登場。

Dior Hommes ディオール・オム
エディ・スリマン(Hedi Slimane)によるディオール・オムは「モダンや影のある排他的なナイトクラブの生活から少年は光の中に飛び出した」と評されたコレクション。黒が主体で、極めて細いシルエット。

Yves Saint Laurent イヴ・サン ローラン
トム・フォードのYSLオム最後のコレクションは、サンローランに敬意を捧げるコレクション。70年代のサンローランのエッセンスをイメージしたスリムベルベットのジャケット、スリーピーススーツ、黒やストライプのロングコート。モデルは、巨大なプードルを伴い、後半はピンクなどのタートルネックを合わせ、毛皮の上にショルダーバッグを持ち、ラストはタキシードで締める。
トム・フォードは、ダブルカフスのシャツに胸ボタンをあけて登場。「私がこの4年間、経験したようにイヴ・サンローランの精神を要約しようとしました。とてもロマンチックで、グラマラスかつエレガント。そして、フランス的(very French)」とフォードはショーの後に語った。

コムデ・ギャルソン
川久保玲は「さまよえる英国人」をテーマに、英国調クラシックをベースに素材や装飾にこったロマンチックな服を見せた。股上(またがみ)が垂れ下がったズボン、色柄模様のザックリした上着、ラッフル・シャツ、フロック・コートなど、優雅さと遊び心をうまくマッチさせた。

Hermes エルメス
エルメスは、いつもながらシックで高級感あふれるコレクション。素材は上質でシック。グレイのスーツに黒のべスト、ネクタイは黄色を合わせ、水玉のシャツが目を惹く。ポイントは先が細いパンツ。でも、ラストに登場したデザイナーのベロニクはベルボトムのジーンズ姿。

Ozwald Boateng オズワルド・ボーティング
金のピンストライプ・スーツ、革のコートには、旧ソ連の軍記章が浮き彫りにされ、今シーズンのテーマはロシア。1970年代のソ連のイメージを高級なサヴィルロー素材で仕立て直した。トレードマークともいえるヘリンボーンのシャツとタイを合わせたモデルは頭に毛皮の帽子をかぶり、客席には、ルイ・ヴィトンのイヴ・カルセル社長と夫人が見守る。ラスト、ボーティングは、赤いスーツに開襟シャツで彼のミューズであるロシア人妻、Gyunel(ショー唯一の女性モデルで最初に革のロングトレンチで現れた)と登場した。

Dries Van Noten ドリス・ヴァン・ノッテン
ビニールのケープ、銀の靴、黄色のスカーフ、膨らんだスーツを引き締め、ショート丈のジャケット、ロングコートのシルエットは大きめ。凝ったディティールのジャケット、ポンチョ風コートなどを披露した。

Louis Vuitton ルイ・ヴィトン
今回、マーク・ジェイコブスは保守的ともいえるシックなコレクションを展開。LVロゴのブリーフ・ケースをセットしたその姿はまさに、トップ企業の重役。 

Yohji Yamamoto ヨウジ・ヤマモト
山本耀司はロックとミリタリーを混ぜた大人の不良の服。ダッフルコートやブルゾン、オーバーサイズの四分の三丈のコートにショートパンツをモデルに着せ、ジップアップのブルゾン、野球帽をかぶり、赤いシャツ。.大きめボタンのロングコート、丈の短い赤いパンツ、モデルの髪はモヒカン風、ニットの胸にはウルトラマン風プリント。ゲストモデルはマッドネス。

Paul Smith ポール・スミス
ポール・スミスはカラフル。ライラック色のブルゾン、茶のコート、明るい緑の靴、ボマージャケットはクリーム色で、中盤は黒を中心に白、赤を指し色に。

John Galliano ジョン・ガリアーノ
今回、ブーローニュの森のサーカステントで初のショーを行ったジョン・ガリアーノは、暴力とエロチシズム、退廃に満ちたイメージを打ち出した。出てくるモデルは一様にパンツの股間(こかん)に手をやり、目の周りを黒く縁取りしている。ガリアーノは「ガリアーノ・ブランドの自然な発展として、このメンズウェアもあります。それは、エミネム向けであると同時にシドニー・トレダノ(ディオールの社長)向けです」。

[Gin and it]

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