「2005春夏パリ・メンズコレクションレポート」

ディオール・オム
エディ・スリマンのディオール・オムは、グレーや黒が主体なモノトーンのコレクション。スカーフや、レザーのパンツ、スリムスーツは相変わらずで、モデルは長髪。エッフェル塔が見える博物館でのショーながら、コレクションはアメリカのストリート感覚。「このショーの音楽をアレンジしていた時、私たちはロスで過ごしていました。だから、このショーは少しだけその都市の影響を受けているかもしれませんね」とスリマン。アクセサリーは、コットンのスカーフに「D」のバックルのベルト、マイクロジャケットにピンクのレザーグローブ。
客席にはカール・ラガーフェルドも姿を見せ、彼がエドワーディアンスタイルで現れると観衆は、拍手で歓迎。最前列には他に、ベルナール・アルノー、Pierre Berge、Carinne Roitfeld、Betty Catroux。「私はエディの服を着たいと思う」と、Catrouxはトム・フォードのイヴ・サンローランで頭からつま先までそろえた姿で答えた。
変わらずに素晴らしいコレクションでしたが「ベストではない、シルエットは前シーズンと同じ、斬新さに欠ける」という声もありました。

Yves Saint Laurent イヴ・サン ローラン
新クリエイティブディレクター、Stefano Pilatiによる初のサンローランコレクションは展示会方式。参列者はまず、ヘルムート・ニュートンらが撮影した過去のサンローランコレクションの写真によって出迎えられる。クラシックなストライプ・ジャケット、スエードのサファリ・ジャケットにデニム、色はカーキにベージュとまさにサンローランへのオマージュ。70年代のサンローランルックを思わせる作品で「私は私自身のためではなく、ブランドを確立するために働きたい」とピラッティ。

Helmut Lang ヘルムートラング
素肌にロングジャケット、白のパンツでスタート。シンプルなエレガンスは変わらず、リネンやシルクのスーツは軽量。

コムデ・ギャルソン COMME DES GARCONS
赤いパンツでショーはスタート。もこもこの上着、大きなサングラス、サイケデリックなプリントのジャケットにショートパンツ。中盤に黒のスーツをはさみ、一挙にピンクの世界に突入。ピンクのスーツにピンクのチェック、後半にはピンクパンサーのプリントが登場。

ジバンシィ・オム Givenchy 
オズワルド・ボーティングによる初のジバンシィ・オムは、顔にプリントしたモデルでスタート。ショーのテーマはフランスの紳士。前半は上質なダークスーツでシックに。赤いブルゾンがオズワルドらしさを表現。「私は歴史と闘うことは出来ないことを理解しています」とオズワルド。「ユベール・ド・ジバンシーは偉大なスタイルを持っています。また、私は過去の遺産を利用しました。しかし、私はそれをモダンに変えました。イギリス人はスタイルを持っています。イタリア人もそうです。しかし、フランス人は違います。彼らが持っているのは姿勢です。そこで、私は服でそれを表現しようとしました」。

Hermes エルメス
エルメスは水着でショーがスタート。コットンジャケット、ピンストライプのスーツと構築的なコレクション。

JUNYA WATANABE ジュンヤ・ワタナベ
ハイカーや登山者をイメージしたコレクション。そこにハワイアンシャツやリーバイス、アメリカンスタイルのバイカーファッションが加わる。花柄プリントのナイロンはヒッピー風。

ジョン・ガリアーノ John Galliano
ジョン・ガリアーノのテーマは海賊。Theatre des Bouffes du Nordを海賊船のデッキに変え、それはまさに映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」のジョニー・デップ。ニュースペーパープリントはシャツで登場。後半はカラフルに、カウボーイテーストの海賊。ガリアーノ本人は黒のスーツでシックに現れた。

Louis Vuitton ルイ・ヴィトン
マーク・ジェーコブスは、前半は白いシャツにパンツ、ストライプのパンツにVネックセーター、ブレザーとスクールボーイ風。白のショートパンツや、ロングジャケットにテディベアを持ったモデルも登場。中盤には軽やかなスーツやベストスタイル、カーディガン、Vゾーンの狭いダブルのスーツ、豪華なガウンスタイルなどを披露した。

Jean Paul Gaultier ジャン・ポール・ゴルチエ
ゴルチエは、.細めの短いタイを着けたスーツで始まり、色はパステル調。ストライプのシャツ。ジャケットは袖を通さずに肩に羽織り、レザーのブルゾン、タキシードは素肌に水着。

Yohji Yamamoto ヨウジ・ヤマモト
山本耀司のショーはショートジャケットでスタート。Serge Gainsbourgをイメージしたコレクション。首に巻かれたマフラーとデニムが特徴的。チェックのジャケット。ストライプのガウン。プリントのインナー、バギーパンツなどを披露。

Paul Smith ポール・スミス
ポール・スミスは、フローラルプリントのジャケットやシャツ、ストライプのパンツ、ピンクの水玉模様などを披露。

KENZO ケンゾー
デザイン・チームによるケンゾーは、インカやマヤなどの古代神にオマージュを捧げるコレクション。カラフルなニット、スリムなパンツ、シルエットは細く滑らかで、ハバナハット、レザーバッグは20年代の紳士を思わせる。

Dirk Schoenberger
Dirk Schoenbergerの今シーズンのテーマは「柔道」。「Look East」でもアートではなく、スポーツ。サテンやマットのピンストライプのスーツなどを披露。

ヴィクター&ロルフ VIKTOR&ROLF
「ファッション界のイリュージョニスタが、実際にマジックからインスピレーションを得たコレクション」と評されたヴィクター&ロルフ。シルクハットに、カード、マジシャンのためのタキシード、50年代のラスベガスを思わせるコレクション。さらに、ピンクのテニスパンツ、デニムのゴルフウェア(ウサギとシルクハットの刺しゅう入り)なども披露。

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