ファッション用語解説 |
●カットソー
カット(裁断)&ソー(縫う)「cut&sew」の略で、ニット生地を裁断して、縫製した製品。織物ではなく、ニットだけに使われる言葉。ニットというと、今ではセーターの意味で使われることも多いが、この場合のニットとはセーターだけでなく、靴下・セーターなどの平編、ランジェリーなどの経編(たてあみ)、丸編、横編すべてを含む。ニットには一着分ずつ編みたてる「成形編」という方法もあり、それと区別するために使われる。編み上げて製品にするセーターなどとは違い、ニット生地を織物のように縫って製品にする。今では、ニット製品でインナーやソックス、セーターではなく、Tシャツタイプなどに使われるものを総称して「カットソー」と呼ぶことが多い。
●カシミア
カシミアやぎの毛。毛質は細く、柔軟で保湿性に富む。織物、ニットともに最高級品として扱われ、中国、中近東、中央アジアが主産地。近年中国産の単価が安い製品が数多く輸入され、価格が下がっている。
●カフス
衣服の袖口。カフスをとめるものをカフスボタン、あるいはカフリンクスと呼ぶ。
●ガーリー
ガーリーは、そのまま、Girlからきており、少女的な、ファンタジーあふれるスタイルといった形式。ワンピースやフリル、レースを多く使ったスタイルに使用される。ピンクハウスやマルニ、ちょっと前の
ヴェロニク・ブランキーノをイメージするとわかりやすい。
●川久保玲
1942年生まれ。慶応義塾大学卒業後、旭化成宣伝部入社。その後スタイリストとしてフリーで活動後、69年「コム・デ・ギャルソン」ブランドでファッション分野に進出。その後、(株)コム・デ・ギャルソン設立、81年パリコレクション発表、黒を基調にしたボロルック、プアルックで一世を風靡した。
●旗艦店
別名、フラッグ・シップ・ショップ(flag ship shop)またはフラッグ・ショップ。本店のこと。フラッグには「旗を立てる」という意味と「最高のもの」という意味があり、流通業では多店舗展開している中で「本店、またはそのブランドを代表する店」を旗艦になぞらえてこう呼ぶ。
●キッチュ(Kisch)
ドイツ語で、「まがいもの」「まやかしもの」「俗悪」「低俗」といった意味。通俗的で低俗、ごてごてした悪趣味なモノの総称。過剰な装飾や、けばけばしい色彩、安っぽい素材などを指す。本来的には決していい意味ではなく悪口に近い言葉だが、1970年代頃から、ポップ・カルチャーなどの影響もありロンドンなどでストリートファッションとして登場。上品でシックな感覚と相対するものとして使われるようになる。さらに1980年代に、フレンチカジュアルなどで高級ブランドにジーンズを合せたリッチ&カジュアルなスタイルが流行。上品なファッションに飽き足らない若者たちが、遊び半分でキッチュ感覚を取り入れる現象が起きる。モスキーノがシャネルなどのパロディ服を発表したものがキッチュ感覚として評判を呼び、「遊び感覚のあるお洒落」というような意味で、「キッチュ」が使われるようになる。今では、もとの意味を知らないまま普通に「おもしろいお洒落」といった意味で使う人も多い。
●ギャザー
布を縫い縮めてしわやひだをよせること、またはそのひだ。柔らかな表情が出るため、婦人服や子供服のウエスト部分や衿、袖などに使われることが多い。
●ギャバ
ギャバジン(GABERDINE)の略で緻密で丈夫な綾織物。通常たて糸の本数が横糸の倍使われるため、綾目が急角度を示している。
●キャメル
ラクダの毛。肌着、コートなどに使われる。保温性、弾力性、軽さ、手触りがよいが、染色性が悪いため、ほとんどナチュラルカラーで使われる。このため、ファッションにおいては黄みのブラウンとして、カラーの意味で使われることも多い。
●キャリーバッグ
持ち運びに便利な底に滑車をつけたローラーバッグ。また、手提げ型の最も基本的な女性用バッグを総称する意味もあり、ショルダーバッグやクラッチバッグの対比として用いられる。
●キャンバス(canvas)
通常、10番手ぐらいの糸を密に織った丈夫で厚手の平織りもの。帆、天幕などに使われる。
●キュロット
女性用のパンツ型スカート。ディパイテッドスカート、フランス語でジューブ・キュロットともいう。一部の男性から「期待させやがって」と反感を買うことが多い。キュロットとは「小さなお尻」という意味で、本来は17世紀から18世紀にかけて貴族のひざ丈パンツをさす。
●キルティング
表布と裏布の間に羽毛や毛糸をはさんで刺し縫いし装飾的な模様を浮き出させる技法。または、2枚の布の間にはさまれた綿(わた)を移動しないように、布の上から縫い合わすこと。防寒用衣料や布団などで使われる。
●ギンガム
先染め糸を使って格子柄に織った綿の平織物。基本は格子柄だが、ストライプやギンガムもある。このチェック柄を指してギンガム・チェックとも呼ぶ。
●グラフィティ
「グラフィティ」は「落書き」の意味で80年代初め、今は亡きキース・へリングらによって提唱された造形技術の一つ。
●クリンクル(Crinkle)
英語で「しわを寄せる」「うねりをくねらす」「曲がり」「ねじれ」という意味で、ファッション用語では、
正式にはクリンクルクロスと呼び、しわ状に縮れ、縞模様のある薄地綿織物を指す。クレープの一種で、軽く、涼しいため、ワンピース、スカートなどの夏物衣料に使われることが多い。
●グルカ・パンツ(Gurkha pants)
グルカ・ショーツを長ズボン型にしたもの。1857年、インドの反大英帝国のときにインド軍の傭兵となったグルカ兵(ネパール兵)が用いた半ズボンが原型。イングリッシュ・グルカ・ショーツが正式名称。ひざ丈で、幅広のウエストバンドがついたウエスト部が特徴。全体にゆったりとして、股上が深い。素材は主に綿で、色はカーキやオリーブ。ブリティッシュ・アーミーショーツ、コロニアル・アーミー・ショーツ、ボビー・ショーツ、コロニアル・ショーツとも呼ばれる。
●クレープ
織物の表面に細かい、さざ波状の凹凸のある織物の総称。クレープ・ジョーゼットなどがある。水戸黄門の「越後のちりめん問屋」で有名な「縮緬(ちりめん)」もクレープの一種で海外では「ちりめんクレープ」と呼ばれている。
●クレリック(cleric)
えりと袖を白、身頃と袖をストライプなどの柄物や無地の色にしたデザインシャツ。1920年代に流行したもので、現代では白でなくても身頃とえり、袖を色違いにしたものもこう呼ばれる。クレリックとは「牧師、聖職者」の意味で、かつて牧師が着たシャツにちなんで名づけられたが、これは日本だけの呼び名で、欧米ではホワイト・カラード・シャツと呼ぶ。
●グレンチェック(glen check)
正式名称は、グレナカート・チェック、またはグレナカート・プラッド。たて・よこ糸とも濃色2本、明色2本、濃色4本、明色4本を繰り返し綾織にしたもので、千鳥格子とヘアラインを組み合わせた柄となる。
●ゲージ
編み機の針の密度。粗いゲージをコースゲージ、ローゲージ。細かいゲージをファイン・ゲージ、ハイ・ゲージと呼ぶ。
●ケリーバッグ
錠のついた台形のハンドバッグ。かぶせのふたにゴールドの錠前がつき、それを開けるための革製ケース入りのカギがつく。本来はエルメス社が狩猟用として馬の鞍につけたバッグを1930年に婦人用のバッグとして作り変えた「サック・ア・クロア」。映画女優でのちのモナコ王妃グレース・ケリーが妊娠中のお腹を隠すために、持っていたバッグが雑誌に紹介され、王室から「結婚前のケリーなら」と許可が下りて、56年からケリーと呼ばれるようになった。現在では35、32、28cmタイプに加え68年にミニケリー、80年に40cmも作られている。
●香水
フレグランスの一種。英語でパヒューム(Perfume)、フランス語でパルファム(Parfum)。フレグランスはアルコール純度、香料濃度、持続時間などから香水、オー・デ・パルファム、オー・デ・トワレ、オー・デ・コロンに分けられる。香水は99.5%と純度の高い上質アルコールに15-25%の割合で香料を溶け込ませたもの。香りの持続時間も5-7時間で、値段も高い。
●コサージュ
婦人服の肩や胸などにつけられる花飾り。定期的に流行る。
●コーデュロイ
コール天。毛羽がたて方向に、うねになっている織物。うねの幅は3ミリ前後が多く、耐久性、保湿性に富み厚手で重め、カジュアル衣料に多く使われる。
●コート(coat)
一般的には、オーバーコートの略で、一番外側に着る袖付きで長丈のもの。外套。もともとはジャケットも含めた、長めのアウターウェア、外衣の意味で、「モーニングコート」など本来ジャケットなものが、コートと呼ばれるのはこれに由来する。日本ではオーバーとコートに分け、オーバーはウール地使いの外套、コートは、コットンなどのトップコートなど軽めのものを意味していたが、近年、両方を含めてコートと呼ぶ使い方が一般化している。
●小西良幸
1950年生まれ、文化服装学院卒業後、68年グラスメンズ入社、81年フィッチェ・ウォーモ設立。金糸、ビーズなどを使ったハンドメイドタッチのニットが特徴。というより、近頃はワイドショーでファッションチェックを行っている「ドン・小西」として有名。
●コンサバティブ
コンサバ。「保守的な、控えめ」な意味で「ファッショナブル」や「トレンディ」の対義語として使われ、流行に左右されないベーシック装いをさす。「コンサバリッチ」とは「コンサバ」と「リッチ」の合成語でベーシックながら高級感やリッチ感を求める消費者傾向を表す。例によって和製英語。
●コンビネーション
結合、組み合わせ。用語的にはフランス語の「アンサンブル」と同義語。ジャケットやパンツの組み合わせといったシンプルな組み合わせをいう場合が多い。
加えて欲しい用語がございましたらメールでご連絡ください。
(最終更新:2005年2月15日)
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