ファッション用語解説

【さ】

    ●サテン(SATIN)
    朱子(しゅす)ともいい、たて糸と横糸をできるだけ平行にして布地のうえに織り出した織物。特徴として、手触りが滑らかで光沢がある。

    ●サドルバッグ
    サドルは馬につける鞍のことで、本来は鞍の両側に下げる革製のバッグを指していた。以後、このバッグに使われるサドレルレザーで作られたバッグや鞍の形をしたバッグを表して使うこともある。近年ではディオールのサドルバッグが大ヒットしている。

    ●サブリナパンツ
    オードリー・ヘップバーン主演の「麗しのサブリナ」(1954)に見られるぴったりとして、足首より少し短い丈のパンツ。もとは、トレアドル・パンツで、トレアドルは闘牛士のこと(正確には馬に乗った闘牛士、主役の闘牛士はマタドールのため、マタドール・パンツともいう)で、闘牛士がはくようなパンツを指す。これが、ヘップバーンが「麗しのサブリナ」でファッショナブルに着こなしたことから、サブリナ・パンツと呼ばれるようになった。

    ●サンタフェルック
    アメリカ、ニューメキシコ州の都市サンタフェにイメージされる南米のエスニック要素とウェスタンを融合させたファッション。南米風の民族調な色使いや素材、モチーフが特徴。

    ●シースルー
    オーガンジーやボイル、シフォン、レーシーニットなどの透ける素材を用いてボディを透かして見せるファッション。1968年にイブ・サン・ローランによって発表された。

    ●シーズンテーマ
    季節ごとに定められるテーマ。春夏、秋冬ごとにマーチャンダイジング的に決められ、そのテーマごとに素材選びやショー、ディスプレーなどが行われる。

    ●指定繊維
    「家庭用品品質表示法」で表示が許されている繊維。指定されていないものは「指定外繊維」となる。指定外繊維はその繊維の名称を示す用語または商標を括弧を付して付記する(ただし括弧内は一種類の繊維に限る)と、法律により定められている。わかりやすくいうと洋服はその素材がわからないと、洗濯してもいいのか、クリーニングはどうしたらいいのか、消費者が迷ってしまうので、素材名を表示することが法律で定められている。しかし、素材といっても、メーカーのブランド名や一般名詞が混在しており、例えば裏地に使われるキュプラはキュプラが一般名称で「ベンベルグ」が旭化成の登録商標。ポリエステルの「テトロン」もポリエステルが素材名で、東レと帝人の登録商標が「テトロン」。また新素材が開発されるケースもあるので、一般的な素材を「指定用語」として定めた。ちなみにナイロンの英語表記「NYLON」は指定用語なので英語で表記出来るが、アクリルの「ACRYLIC」は指定用語でないので英語表記出来ない。

    ●シフォン
    薄地で透き通った軽い平織物。たて、よこに強撚糸をかけた、同じ太さの細い糸を使って粗めに仕上げる。ブラウス、ドレス、スカーフに用いられることが多い。

    ●シフトドレス(shift dress)
    シフトはシミーズに似た下着のことで、ウエストに切り替えがなく、肩からまっすぐに垂れた細身のシルエットのドレス。シルエット的には、シースドレス(刀剣の鞘のように身体にぴったりとした細いドレス)とサックドレス(寸胴型の袋のようなドレス)の中間。50年代後半から60年代前半に流行した。それまでのXライン型のドレスと違い、ウエストを絞らないので、その斬新なデザインと着やすさが当時の女性に受けた。

    ●ジャカード
    大柄な模様を織り出せる開口装置を使った模様織り。服地、カーテンなどのインテリアに使用される。ジャカードとはこの装置を発明したフランス人の名前。ジャカード編みは2色以上の染め色を使い、ゴム編みに浮き編みを組み合わせて模様を表現したもの。

    ●シャビーシック(SHABBY CHIC)
    「使い古した上品さ」という意味。インテリア関連でよく使われ、アンティーク家具などで「シャビーシックな家具」という感じで使う。

    ●シャネルスーツ
    シャネルによってデザインされ、シャネルツイードと呼ばれるミックス調のファンシーツイードを用いて、ポケット、衿、ヘムラインなどをブレードで縁取ったデザインが特徴なスーツ。衿なしのカーディガンジャケットと共地のスカートを組み合わせたカーディガンスーツが有名。

    ●ジャパネスク
    日本的様式、日本風、日本趣味である「ジャパニズム」と違い、「日本人が西洋の目を通してみた日本的なもの」といった意味を持つ。日本の伝統的なものをモダンに表現したり、新しい視点で捕らえて表現する。パリコレクションでの「ヨージ・ヤマモト」や「コム・デ・ギャルソン」もこれにあたる。

    ●シャーリング(shirring)
    布地を間隔を置いて、何本か縫い縮め、立体的な波状のひだを出すこと。あるいはそうしたデザイン。これを全面にあしらったシャーリングブラウス。ブルゾンやパンツのウエスト部分にあしらうシャーリング・ウエストがある。

    ●ショール(shawl)
    防寒、装飾に用いられる肩かけ。ペルシャ語のショール(shal)からきた語とされ、18世紀にヨーロッパに伝わったとされる。ちなみにスカーフよりもストールのほうが大きく、ショールはもっと大きいもの。マフラーは襟巻きで、ストールは肩掛け。ただし、現在では男性用をマフラー、女性用をショール、もしくはストールという風に使っているケースも多い。

    ●スエード
    革の表面をサンドペーパーで削り取り、ビロードのような感触に仕上げたもの。

    ●スカーフ
    首に巻いたり、頭を覆ったりする、三角形もしくは四角形の布。マフラーやショールなどに比べて絹など薄地で、滑らかな素材が多い。

    ●スキッパー(skipper)
    ネックラインの1種で、本来は、「一見すると、重ね着に見えるえりもとを特徴とするセーター」。2つの異なるネックデザインが組み合わされて、一つのスタイルを形作っているもの。1枚のニットなのにタートルネックとVネックが合わさっていたり、シャツカラーとクルーネックが合わさっていたりするもの。スキッパーは、「船長」あるいは「跳ぶ人」という意味だが、もともとはイギリスのメーカー名に由来する。また、レイヤードネックの俗称としても使われる。

    ●スクールルック
    「スクールガール・ルック」の場合は女学生の制服などに見られるように、紺のジャンパースカートに白いブラウスを組み合わせる。タータンチェックのスカートに紺のブレザーなども代表的。
    一方、「スクールボーイ・ルック」はアメリカ東部やイギリスのイートン校などでの生徒からイメージされたもので、レジメンタルやストライプのネクタイや胸のエンブレムやブレザーなどといったアイテムを取り入れたスタイルを指す。

    ●スタイリスト
    ショーや雑誌、タレントなどにおいてイメージやテーマに従い、スタイリングやアクセサリーなどを選択し、着こなしを完成させる人。いつのまにか、ファッション業界での人気職種の一つとなってしまいました。実際には大きなバッグを抱えて、アパレルプレスに貸し出しを頼みに来る肉体労働職種なんですけど。ビッグになれば違いますけどね。

    ●スタンドカラー
    立ち衿の意味で、衿の外へ折れないで首に沿って立った衿。これも和製英語で正式にはスタンダップ・カラーという。

    ●ステッチ
    縫い方、編み方。ミシン刺繍や手縫いなどでの針目の総称。

    ●ストライプ
    縞(しま)。縦縞にはチョーク、ペンシル、横縞にはホリゾンタルなどがある。

    ●ストール(stole)
    装飾・防寒に使われる肩掛け。ローマ時代の婦人が着ていたくるぶし丈のゆったりとしたチュニック、ストーラ(stola)が転じたものとされ、フランス語では「エトール」。

    ●スパッツ
    細身で脚にフィットするタイツのようなパンツ。もとはバレエの練習などで用いられ、本来の意味は20世紀初頭に流行したゲートル、または靴カバーのこと。今は同種のスキーパンツなどの流行を経て、ジャージー製のものを単独でスパッツと呼ぶようになった。

    ●スパンコール
    スパングル(spangle)のこと。日本語ではスパンコール。フランス語ではバイエット。装飾用のプラスチックや金属の円形の小片のことで、中央部の穴に糸を通して縫い付ける。パーティドレス、舞台衣装、ハンドバッグなどに使用される。

    ●セレブ
    セレブリティ(celebrity、著名人、有名人)の略。これが、ファッション用語かどうかは微妙だが、アメリカ人(日本人も欧州人も根は一緒だと思うが)有名人が大好きで、有名女優はどんなブランドが好きで、普段は何を着て、どのバッグを持ち、どんな香水をつけているかが、興味の的であり、雑誌にもよく取り上げられている。アカデミー賞授賞式のファッションが注目を浴びるのも、同じ理由。ブランドからみれば、有名女優に着てもらうことは、それだけで、最高のパブリシティ(宣伝)になる。そこから、有名女優、歌手、あるいは大富豪や、その家族、一般の人でも知っているスーパーモデルなどが「セレブ」となり、セレブが身に付けることで流行が作られる。日本では、優れたセンスを持った高級なイメージのある人を、「セレブ」と言い表しているケースもある。

    ●センツア・インテルノ
    イタリア語で芯が無いという意味。ナポリテーストでよく見られる。スーツのえりなどには生地の中に「芯地」というものが入っており、これは服の型崩れを防ぎ、美しいシルエットを保つが、センツア・インテルノは、こうした芯地や肩パッド、裏地などを抜き、より軽く仕立てたもの。軽く、着心地もいいが、その分型崩れもしやすいというデメリットもある。

    ●ゾッキ
    パンティーストッキングなどの編地の一種。ゾッキは一種類の糸でパンティ部やレッグ部を編んだ生地。生地に横じまがなく肌ざわりはなめらか。1種類の糸(サポート糸)のみで編まれているため、縦にも横にも良く伸び、横縞がないのが特徴。フィット感に優れているため、長時間着用しても、たるみやひきつれが起こりにくい。肌触りもなめらか。それに対し、交編は二種類以上の糸を交互に組み合わせ編んだ生地。通常はサポート糸とナイロン糸を交互に編み、ナイロン糸に透明感があるため、ゾッキ編みより透明感が高く、ファッション性に優れている。一部には「総生」という字をあてるという説もあり、また、革のみで仕立てられたバッグを「革ゾッキ」ともいう。

    ●ソフィスティケート
    本来は「ごまかした」などの意味だが、なぜかファッション用語では「洗練された、都会的な」という意味を持つ。

    ●梳毛
    そもう。長めの上質な羊毛を主体とした糸。

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(最終更新:2005年2月14日)


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