「コレクション、パリやミラノでも混乱」
 10月3日のニュースを見た後、コレクションカレンダーをご覧になった方は混乱したのではないでしょうか?ニュースで取り上げた「アンダーカバー」の高橋盾のコレクションはカレンダーにはどこにも出ていません。実はパリコレ主催団体は正式な開幕日を3日にしていましたが、一部のデザイナーは過密スケジュールを嫌い、前日にショーを開催しました。高橋盾や2002秋冬オートクチュールの開催時期に、いち早く2003春夏を発表した山本耀司も2日に「Y's」ブランドの2003春夏を発表。
 また、マルタン・マルジェラも正式のカレンダーから外れて、ショーを開催しました。
 ミラノでも同様なことは起きており、正式なカレンダーにはドルチェ&ガッバーナやジョルジョ・アルマーニなどの有名ブランドが載っていません。では、コレクションを開いていないかというと、そうではなく、しっかりと開催しています。
 何で、こんなことになったかというと、有名ブランドのショーには出席希望者が多いため、各ブランドは1日に2回ショーを開くことが多く、これに対し主催者のイタリアモード協会は、各ブランドの公平さと効率的なスケジュールを組み立てるため、2回開催を禁止したためです。
 アルマーニなどはこれに反発して、独自にショーを開催したので、このような事態に陥ったというのが真相です。
 ちなみにプラダも2回ショーを行いましたが正式カレンダーには、プレス向けのみを掲載することで、何とかこの事態を切り抜けました。
 コレクションがトレンド発表会として、また世界へ向けてのアピール場として意義が高まるにつれ、参加ブランドが増えたことでこれらのブランドを公平に扱うことが難しくなっているようです。
 既に名声をつかんでいるブランドとこれから世界にうって出ようとするブランドをどう公平に扱うか、難しい問題です。
 個人的にはそんなうるさいこといわずに、各ブランドの自主性に任せて、好きなように開かせればいいのにと思います。
 1998年のフランスワールドカップ記念のYSLのショーのように、競技場を借り切ったり、ヴェルサーチのようにDJを入れてショーをするなら(ボーイ・ジョージだったりしますが)クラブ風だけでなく、コンサートホールでやってもいいと思いますし、何年か前東京コレクションであったようにストリートで急にショーを始めたり、あるいは逆にこじんまりと自社の展示室で、数名だけに向けて開いてもいいと思います。
 上からあれこれと指図しないで、好きにやらせろって感じですかね。
 まあ、現実にはいろいろと難しいこともあるんでしょうけど。

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