「ウィノナ・ライダーが欲しかったもの」
最近のニュースで驚いたことといえば、やはりあのジェニファー・ロぺス(J・Lo)が、2003秋冬からルイ・ヴィトンのキャンペーンモデルに選ばれたということ。ヴィトンは結構ミーハーで、日本でも3月にオープンした高知の路面店で、テープカットを行ったのは地元出身の広末涼子でした。高知になぜ路面店と思ったら(路面といってもプレタは置かない中型店ですが)、ルイ・ヴィトン・ジャパンの秦社長が高知出身だからだそうです。これって公私混同じゃ・・・。まあ、それはともかく、J・Roはバッグだけでなく、ファッションまでモデルを務めます。彼女はかつて、コーチのバッグを抱えてたシーンをプロモーションビデオに使ってましたが、ヴィトンのイメージではないような気がします。

でも、これを決めたのはマーク・ジェイコブス本人。キャンペーン写真の撮影にも立会い、非常に満足しているようです。これからは衣装提供も行われるでしょうから、パパラッチにベン・アフレックといちゃいちゃしている写真を撮られる時にもヴィトンの服を着たJ・Roが見られるかもしれません。ちなみに現在の2003春夏も含めての数シーズン、ヴィトンのキャンペーンモデルを務めていたのはエヴァ・ヘルツィゴヴァ。ヴィトンのサイトやファッション誌の広告には彼女がマルチカラーのバッグを持った姿を見ることができますが、彼女の出番は今シーズン限り。やはり、スーパーモデルブームは終焉し、セレブのほうがもてはやされるのでしょうか。

ところで、ヴィトンのデザイナーでもある、マーク・ジェイコブスの冠ブランド「マーク・ジェイコブス」の春のキャンペーンモデルはなんと、あの女優のウィノナ・ライダー。映画「若草物語」や「シザーハンズ」というよりも、いまや万引き犯として有名になってしまったウィノナ・ライダーです。

2001年12月12日、ビバリーヒルズの高級デパート「サックス・フィフス・アベニュー」で5500ドル相当の衣類やハンドバッグなどを万引きした容疑で、手錠をかけられてビバリーヒルズ市警察署に連行されたウィノナ。ただ、この犯行には不可解な点も多いのですが、そうまでして彼女は何が欲しかったのかというと、まず、彼女は自分のクレジットカードで、グッチのジャカード素材のシューズ、サン・ローランのノースリーブのブラウスをブラックとホワイトの色違いで1枚ずつ、ドルチェ&ガッバーナのレザー・ジャケットを購入。

そして、いわゆるレジ袋の下に持った自分のバッグに、マーク・ジェイコブスのカシミアのトップ、自分が購入したのと同じ白いサン・ローランのブラウスと、グッチのホワイト・スリップ・ドレス、ナトリのイブニング・バッグ、ドルチェ&ガッバーナのハンドバッグ、エリック・ジャヴィッツのハットとベレー、フレデリック・ファッカイのヘア・クリップ&ヘア・バンド、ピエール・アーバックのポシェット2つ、ダナ・キャランのソックス2足、カルバン・クラインのソックス3足、サックス・フィフス・アベニューのプライベート・ブランドのソックス2足を隠し入れました。

このリストを見ると「さすが、ウィノナ。選ぶ品物もセンスがいい」と思ってしまいますが、自分でコーディネートした商品ではなく、万引きした商品では誉められても本人はあまりうれしくないかもしれません。しかし、万引きの前に商品をちゃんと購入していたり、盗んだものと同じ商品を万引きしていたり(そりゃあ、同じ商品を2着持っていてもおかしくはないけど、普通それだったら別の商品を選ぶだろうし)、お金がないわけではないことを考えると、なぜ、万引きしたのか疑問が浮かびます。ここから、彼女の万引きは癖になっているとか、精神の問題とか薬物の使用も疑われました。結局は有罪になりましたが、裁判中もシックな服装で登場した彼女のファッション・センスは、間違いなく優れたものです。

その後、ウィノナ・ライダーは、処罰の一環として言い渡された社会福祉活動を終えましたが、彼女は、デパートから盗んだ5500ドル相当の商品をチャリティ・オークションにかけたいと申し出ました。裁判官は検討するとしていますが、デパート側は焼却処分を希望しています。

そして、2003年春、マーク・ジェイコブスはウィノナ・ライダーを春の広告キャラクターに起用。彼女が盗んだ品物の中に、マーク・ジェイコブスが入ってたことを考えると、万引きするほど気に入ってくれてたことにマークが感動しての起用かとも思ってしまいますが、真相はわかりません。

ともあれ、こういう形で復活を果たしたウィノナ。今後、彼女がどういう道を歩むのかはわかりませんが、個人的に彼女を結構気に入っているので、いつの日か彼女が女優として復活して、またすばらしい演技と笑顔、そのファッションセンスを見せてくれることを期待したいです。

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