「スーパーモデルの復活とコレクションスキャンダル」 |
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2003年秋冬のキャンペーンモデルにはセレブ・ブームが席巻しました。ルイ・ヴィトンがジェニファー・ロペス、ヴェルサーチにクリスティーナ・アギレラ、ジバンシィのリヴ・タイラー、ラルフ・ローレンのコリン・ファレル、ダナ・キャランにケイト・ブランシェット。これ以外にも、マドンナがギャップ(GAP)秋の広告キャンペーンに出演していました。 かつてはこうしたキャンペーンにはスーパーモデルが出演するのが普通でした。ナオミ・キャンベル、ケイト・モス、リンダ・エヴェンジェリスタといった人たちです。しかし、スーパーモデルブームも過ぎ去り、彼女らも歳を重ねた上に、彼女らを上回る存在感を持ったニュースターが出現していないこともあり、こうした傾向に拍車をかけています。ルイ・ヴィトンのモデルがエヴァ・ヘルツィゴヴァからJ・Loに変わったのは象徴的な出来事かもしれません。 一方で、彼女たちの存在感はまだまだ、捨てたものではありません。ここに来て、スーパーモデルブームが復活しつつあるという声があります。 2004春夏ミラノコレクションでバーバリーが注目を集めたのは、クリストファー・ベイリーの最新作よりも、出産後3年ぶりにランウェイに戻ったケイト・モスでした。彼女は、他にもYSLのフレグランス「Opium」、ステラ・マッカートニー、Zara、シャネルの「マドモワゼル」のキャンペーンモデルを務めています。 リンダとナオミは、ヴェルサーチ、アナ・スイ、トミー・ヒルフィガー、ジュリアン・マクドナルド、ジャスパー・コンラン、ドルチェ&ガッバーナ、ヴァレンティノのコレクションに出演。リンダはフェンディの2003秋冬キャンペーンモデルにも登場していますし、ロンドンコレクションで話題を呼んだ、キャサリン・ハムネットの「アフリカ救済。コンドーム使用を」などのスローガンをプリントした白Tシャツを着ていたのはナオミ・キャンベルでした。3人の子供をもつステラ・テナントや、シンディ・クロフォードもNYコレクションでランウェイに復活しています。彼女たちの活躍はまだまだ続きそうです。 スーパーモデルの復活により盛り上がったコレクションとはいえ、ショーの話題はランウェイだけではありません。どんなセレブが最前列に居たかも注目されます。やはりショーの最前席には有名人が来て欲しいもの。これに関して2004春夏NYコレクションで1つのスキャンダルが持ち上がりました。 ビヨンセに来てもらおうとあるブランドが2万5000ドルのオファーを行い、ジョージ・クルーニーがどこに出かけていくかは現金次第、ジェニファー・ロペスの前夫クリス・ジャッドは、ショーを見に行くだけで1万6000ドルになるとの噂が流れました。 ある関係者によれば「これは、普通にどこでも行われていることであり、とくにミラノでは激しい。昨年、あるブランドがチャーリー・チャップリンの孫娘、Kiera Chaplin(って、何している人なの?祖父はともかく、私は知らないんだけど)に出席してもらうために、16,000から63,000ユーロで交渉したといわれているし、リッキー・マーティンを2年前にジョルジオ・アルマーニのショーで最前列に座らせる契約書は、23ページにもなった」といいます。別な関係者によれば、ジョージ・クルーニーが毎年、ミラノに出かけていくのは別に洋服が好きだからではないそうです。 もちろん、これらはあくまでも噂であり、本当のところはわかりません。しかし、一般の人はキャンペーンフォトならビジネスと理解しても、コレクションに出席するのは、「本当にそのブランドが好きだから来ているんだな」と思っているのではないでしょうか?ビヨンセはヴェルサーチのショーに出席していましたが、他の場所でもヴェルサーチを着ているのを目撃されています(アルマーニも着ていますが)。それが、すべてビジネスだとしたらちょっと悲しい気もします。もちろん、コレクションは慈善事業ではなく、ビジネスではあるのですが。 [Gin and it] |
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