「混乱続くNYコレクション」

さあ、皆さま、NYへ出かける準備はおすみでしょうか?(実際に行けない人は心の中だけでも)。ついに9月8日からNYのブライアントパークを中心に2005春夏NYコレクションが開催されます。

既にミラノやパリでメンズコレクションが開かれているといっても、実質的には、これでコレクションシーズンは2005年春夏に突入します(それを言ったら既にオーストラリアのシドニーとかでも、2005春夏コレクションは開かれていますが)。

今回は、ロンドンから「Ghost」がNYに進出。「ボッテガ・ヴェネタ」もNY店オープンを祝って、NYでコレクションを開催。「ラコステ」も1年前に続き、今回は正式スケジュールに掲載されて、ショーを行います(クリストフ・ルメールのスポーティ・カジュアルはパリよりもNYが似合うかもしませんね)。さらに数々のコレクションを支援してきたスワロフスキーが独自に「キャットウォーク・ジュエリー・ショー」を開きます。
その他、John Bartlett、Rebecca Taylor、Proenza Schouler、Zac Posen、United Bambooなどなど見所は尽きません。

一方で、このNYコレクションに深い影を射しているのが911。今年もNYコレクションの最中にこの9月11日を迎えます。同時多発テロが行われた日にコレクションを開くのは誰も、気が進みません。噂ではNYコレクションの主催者は、この日にショーを行うブランドに対しては、会場設営費を大幅にダンピングしたと伝えられています。

さらに、今回は9月2日まで大統領選を控えた共和党大会が開かれており、テロの危険度が一層高まっているという話があります。この期間、街路やブライアントパークも事実上、閉鎖され、準備もままなりません。主催者は神に祈る気持ちで、NYコレクションの無事成功を願っているという話です。

しかし、共和党大会はたまたまだとしても911は、これからも毎年、巡ってくるわけです。そこで、個人的な提案なのですが(ここで提案したところで実現はしないでしょうが)、ロンドンとNYのスケジュールを交換してみるというのはいかがでしょうか?

もともと、パリやミラノの後追いと思われるのを避け、バイヤーが先のコレクションで資金を使い果たしてしまうのを防ぐため、スケジュールを早めたといわれるNY。ですが、今ではバイヤーはミラノやパリの結果を見てから購入したいと、買い控える傾向もあるといわれています。

2004秋冬でイタリアから商品が届かないため、突如、スケジュールを変更したカルバン・クラインのような例も、コレクション・カレンダーが早すぎるためで、後ろにずらせば防げたのではないかという指摘もあります。

ロンドンで始まった後、大西洋を渡ってNYに移った後、また欧州に戻るのはバイヤーやプレス、モデルにとっては大変かもしれませんが、今でもロンドンをスルーして、NYからミラノへ直行する人も多く、スケジュールを変更することで、結果的にロンドンの地盤沈下も防げるかもしれません(もっと沈んでしまうというケースも考えられますが)。

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