「エルメス・オレンジボックス」 |
---|
銀座4丁目交差点から有楽町方面に向かい、左側を進んでいき、SONYビルの手前の通りが並木通りである。 この通りは多くのメディアによって、既に報道されているが、一流ファッションのブティックが並ぶファッションストリートなっている。まずはこの通りを入って、しばらく進めば右手にフェラガモ、隣がディオール、ほぼ向かいにカルチェがある。やがてみゆき通りを渡るとその角、左手にシャネル、続いてフェンディ、右手にグッチが現れる。さらに進んでいけば、ルイ・ヴィトンだ。 こうして、この一角は一流ブランドの集積地となっているわけだが、このほど新たに加わったのがエルメスである。正確にはエルメスは並木通りではなく、そこから一本隔てた、SONYビルのとなりにある。 外観をエルメスのギフトボックスになぞられ、オレンジボックスと呼ばれている。この店は通常のショップとは違い、2階にはエルメスの大判スカーフをスクリーンに見立てた展示や、エルメス工房の写真展示、ビデオの上映などが行われており、1階ではフランスから呼び寄せた、職人達によるかばんの修理やスカーフの染め付けなどが実演されている。まさしく、エルメスの博物館といった趣だ。 一部限定のスカーフなどの販売もあるが、文字通り「エルメスの世界」を堪能することが出来る。 日本でエルメスを展開しているエルメス・ジャポンでは、「当面はここを通常のショップにする予定はなく、なったとしても2000年以降」との方針だが、エルメスファンは同所がブティックとなることを望んでいる。 そのときには大阪心斎橋のルイ・ヴィトン大型店と同じように新デザイナー、マルタン・マルジェラ、デザインによるプレタポルテから、バッグなどの革製品、香水、スカーフまでも含めたトータルショップとなるだろう。 だが、エルメスジャポンには西武百貨店が出資しており、親会社の意向にも左右される。西武百貨店は現在、シネセゾンやセイブ美術館の廃館などリストラの真っ最中である。 一方で西武はエルメスショップを店の中でのキーアイテムと位置づけている。事実、今秋改装された船橋西武(千葉県船橋市)では「地域一番のエルメスブティック」が目玉として、取り上げられている。 さらに、エルメスはブティックでの高付加価値化をあげるための政策を進めており先ごろ発表された、資生堂との香水販売会社の解消もこうした流れの一環と見ることが出来る。これにより、今後はエルメスブティックでしかエルメスの香水は手に入れることが出来なくなった。 こうした、状況下にあって、銀座店が今後、どのような形のブティックとなるか、注目される。 |
どうぞご意見をお寄せください
[Gin and it] |
Copyright 1998 Gin and it.