Bally バリー Switzerland |
歴史・解説 1851年、スイスのシエネレベルト(シェーネンヴェルト、Schoenenwerd)でカール・フランツ・バリー(Carl Franz Bally)によってリボンメーカーとして創業され、後にシューズメーカーへと移行。150年の歴史を持つ。「いつの時代にも愛され続ける永遠なもの」がバリーのモットー。 1892年、ロンドンのニュー・ボンド・ストリートにショップをオープン。1976年には、ハンドバックおよび皮革製品のラインを追加。1999年に、80億ドル超の資金を有する世界有数の投資会社テキサス・パシフィックグループ(TEXAS PACIFIC GROUP)が資本参加。これにより、2000年ニューチームを結成して、シャープで都会的なセンスと斬新なビジネス戦略で、バッグ、プレタポルテも含めたトータル・ファッション・ブランドへリニューアルした。バリーの原点である「最上の日常着」をコンセプトに、150年の伝統と新時代の感性とのコラボレーションによる新生バリー戦略を打ち出す。クリエイティブ・ディレクターにはスコット・フェローズ(Scott Fellows)を任命した。 スコット・フェローズは1964年生まれ。ハーバード大学、FITを卒業後、1992年にサルヴァトーレ・フェラガモに就職。2000年にバリーのクリエイティブ・ディレクターに就任。 2001年春夏ミラノコレクションでデビュー。2001秋冬には初めて本格的なランウェイショーを行い、カシミヤやファー、ダブルフェースなど、心地良さそうな極上素材の普段着を披露した。「シックでぜいたくでカジュアル。エキサイティングな日常着が作りたい」とスコット・フェローズは語る。 「ニュー・バリー」戦略の一環として力を入れるファッション性の高いバッグは、とくに好評。バリーのBをグラフィカルに配置した「BUSY-B」(ビジーB)シリーズのバッグは、バリーの新しい顔として売上げアップに貢献。展開アイテムは、シューズ、バッグ、ベルト、スモールレザーグッズ、財布、ファッションジュエリー、スカーフ、ネクタイ、プレタポルテ、時計と拡大している。2002年には、女性向け商品(アクセサリー)のクリエイティブ・ディレクターに、メリッサ・メイッシュ(Melissa Maish)が就任。女性らしいデザインを手がけている。 2002年スコット・フェローズ辞任。2003年1月に発表された2003秋冬ミラノメンズコレクションから、メンズはLuca Ragonese、レディスは2003年3月の2003秋冬ミラノコレクションから、メリッサ・メイッシュがデザインを手がけている。現在のアクセサリー・デザイナーはJohnny Coca。 2007年2月、新クリエイティブディレクターにBrian Atwoodを指名。アトウッドは2008年春コレクションから担当し、ブランドの広告キャンペーンも手がけ、バリーのデザインすべてを監督。アクセサリー部門のデザイン・ディレクターJohnny Coca、プレタポルテ部門のデザイン・ディレクターAndrea Pompilio、シューズ部門のデザイン・ディレクターSara Johnsonらデザインチームを率いる。 アトウッドは、シカゴ出身でFIT(Fashion Institute of Technology)を卒業後、1996年にジャンニ・ヴェルサーチに入社。2004年までの8年間、レディス・アクセサリーの主要なデザインを担当し、2001年には自らのシューズ・ブランドを開始。ミーシャ・バートン、テリー・ハッチャー、レイチェル・ゾーイ、ジェニファー・ガーナーらが顧客となり、2003年にはCFDAアワードのスワロフスキー・ペリー・エリス・アワードのアクセサリーデザイン部門を受賞。今シーズンにはバッグラインも開始した。 2008年4月、TPG CapitalはバリーをオーストリアのBenckiserファミリーが所有しているLabeluxグループに売却すると発表。バリーの本社はそのままスイスに置かれ、経営の独立も維持し、Franchiniら経営陣もその職に留まる。Benckiserはフランスの化粧品メーカー、コティ社も所有している。 ブライアン・アトウッドの後任としてクリエイティブ・ディレクターに元アクアスキュータムのデザイナー、Michael HerzとGraeme Fidlerの起用を正式に発表。「驚くべき旅行だった10シーズン後に、より国際的な挑戦に移るには最適な時間のように感じます。バリーは多くの可能性を持った、スイスのラグジュアリーブランドです。私たちはアーカイブだけでなく、その魅力、知性も含めてバリーのハートにあるものを調査します」とMichael HerzとGraeme Fidler。「GraemeとMichaelをクリエイティブ・ディレクターに持つことができて、非常にうれしく思います。彼らにはハイレベルな相互理解、尊敬すべき専門性があります。これはすべて、バリーのビジネスに最適です」とバリーのCEO、Berndt Hauptkorn。HerzとFidlerはメンズとレディスのプレタポルテに加え、バッグ、フットウェアも担当する。 日本での展開 日本へは、1957年にコサ リーベルマンによって初めて紹介され、1988年にバリー・インターナショナル社100%出資の日本法人、株式会社バリー・ジャパンを通じて直営店及び百貨店インショップ展開がなされてきた。2002年6月21日、「バリー」(BALLY)の日本市場展開に関して、スイスのバリー・インターナショナル社(BALLY INTERNATIONAL S.A.)は、伊藤忠商事株式会社と半永久的な戦略的パートナーシップを締結。伊藤忠は日本法人株式の80%を取得。伊藤忠は、フランス本社の積極的な世界戦略と呼応し、イメージ戦略を強め、2006年には小売上代450億円の売上規模に拡大する計画。 新生バリー・ジャパンの役員構成は、伊藤忠商事から社長を含む4名、バリー・インターナショナル社から1名派遣。現在、日本市場での展開は直営店3店舗、百貨店インショップ30店舗、アウトレット3店舗で、売上高は小売上代ベース50億円(内訳はバッグ55%、シューズ40%、その他5%)だが、今後トータル・ファッション・ブランドとしての方向性を一層強化し、3年後には100億円に拡大する方針。 2003年、4月六本木ヒルズ店オープン。2003年9月12日、銀座5丁目並木通り(旧フェラガモ店)に新旗艦店をオープン。山小屋風の内装を施した大型旗艦店で、スイスのイメージを強調して、山小屋風の落着いた雰囲気。1階は靴やバッグの皮革製品、2階では衣料品が販売され、すべてのラインがそろう。限定品はツーウェイバッグ。 2008年6月、伊藤忠はバリーを国内で展開するバリー・ジャパンの8割の全保有株式を13日付で、バリー本社に当たるバリー・インターナショナル(スイス、マルコ・フランキーニ最高経営責任者)に売却。「世界戦略を統一する」(フランキーニ)バリーの方針に応じた。
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