Cacharel キャシャレル France |
歴史・解説
キャシャレルは、1962年、当時30歳だったJean Bousquet(ジャン・ブーケ、現会長)によって創業される。64年会社創設。ミシン販売業の息子として生まれたジャンは、子供のころから洋服作りに夢中になり、フランス南部、Camargue(カマルグ)の小さな鳥からブランド名は名づけられた。63年、シアサッカーのブラウスはエルの表紙を飾り、サラ・ムーン(Sarah Moon)の写真は話題を呼んだ。
カジュアルブランドとして知名度を高め、1999年には売り上げが16億フランに達するほどのブランドにまで成長。コリーヌ・サリューがデザインを手掛けていたが2001春夏からイギリス、ロンドン・コレクションで活躍していたデザイナーデュオ、クレメンツ・リベイロ-Clements Ribeiro (Suzanne ClementsとInacio Ribeiro)を起用してリニューアル。20年ぶりにパリコレクションに復帰し、新生「cacharel」を誕生させた。
夫婦デュオであるクレメンツ・リベイロのうち、スザンヌ・クレメンツ(Suzanne Clements)は1969年、英国サリー(Surrey)生まれ。イナシオ・リベイロ(Inacio Ribeiro)は1963年、ブラジル、イタペセリカ(Itapecerica)に生まれる。二人はロンドンのセントラル・セントマーティン・カレッジ・アート&デザイン科(Central St Martins College of Art & Design)に就学中に出会い、1991年トップの成績で卒業。一年後、二人は結婚し、クレメンツは既に、自らがデザインしたニットウェアなどがリバティやハロッズに納品され、リベイロも、ロンドンでデザイナーとしてデビューしていた。
卒業後、二人はブラジルに行き、アパレルメーカーのコンサルタントして働き始める。1993年ロンドンに戻り、自らのブランドをスタートさせる。1995年10月の初めてのコレクションは手描きのシルク・シフォン、リネンで女性らしい美しさと豊富なカラーリング、豪華なカシミア、大胆なストライプで評判を呼び、瞬く間に注目を集める。
シューズラインは1996年2月に始まり、同年、彼らは新人デザイナー賞である「ロイズ・バンク英国ファッション賞(Lloyds Bank British Fashion Awards)」受賞。1997年、新人およびベストデザイナー賞にノミネートされる。2000年、ベスト・英国デザイナー賞は受賞できなかったものの、そのときに受賞したフセイン・チャラヤン(Hussein Chalayan)は受賞スピーチで、「自分は受賞できるとは思っていなかった。私はクレメンツ・リベイロがもらうべきだと思っていました」と発言した。
2000年5月、二人はロンドンをベースにしたまま、フランスブランド「キャシャレル」のデザインを引き継ぐことに合意。同年10月彼らによる初の「キャシャレル」プレタポルテコレクションはパリで発表され、キャシャレルのオーダーは50%上昇したといわれる。2001秋冬コレクションでは、トロンプルイユ(だまし絵)が話題を呼び、可愛いワンピースやトップス、プリントが注目。
2002秋冬コレクションは、テキスタイルデザインの「Celia Birtwell」とクレメンツ・リベイロがコラボレーション。とくにプリントは、「cacharel」にトータルな新しい動きを与え、リラックスしたフレッシュな女性らしさと、カラーとラインで明確化された新しい洗練性を表現した。多種多様のハンドメイドと布使い、カラーもソフトで女性らしい洗練性を感じさせる。2005年春夏からは「オウン」のデザイナー、ベルギーのデュオ、エルヴェ・イヴルノゴーとティエリー・ロンドネを起用し、メンズ・コレクションをスタート。ブランド名は「キャシャレル・ル」で2005年春夏にミニコレクションでデビューし、2005年秋冬から本格的にフル・コレクションを発表する予定。
2007年6月、Inacio RibeiroとSuzanne Clementsは7年間務めたキャシャレルのアーティスティック・ディレクターを辞任。後任はEsther Angula。Esther Angulaは33歳。セント・マーティンを卒業後、エミリオ・プッチ、プラダを経て、キャシャレルでクレメンツ・リベイロとともに働いていた。キャシャレルの創設者、Jean Bousquetによるとブランドがデザイナーズ・ブランドに片寄りすぎており、変更する時間だったという。「コレクションはあまり売れていませんでした。キャシャレル精神から離れすぎ、店からの苦情もありました。Angulaはキャシャレル精神を理解するでしょう」とJean Bousquet。2008年春夏はクレメンツ・リベイロの最後のコレクションとなり、Angulaは2008年秋冬にデビューする。
2007年10月、新アーティスティック・ディレクターにMark Eleyと岸本若子のイーリー・キシモトを起用。「キャシャレルの美学は私たちの作品と調和しています。キャシャレルは洗練されたフランスの精神を持っていますが、より手軽で若くあるべきだと思います」とイーリー。「イーリー・キシモトは私たちにとって完璧です。彼らはキャシャレルの精神を理解しています」とキャシャレルの新CEO、Philippe Cardon。
2008年11月、イーリー・キシモトが「創造的なビジョンに関する対立」と「コレクションの商用方向に関する違い」を理由にアーティスティック・ディレクターを辞任。「円満な辞任です。しかし、私たちはキャシャレルの血が流れているように感じていたので残念です。また、キャシャレルで私たちのビジョンを示すために多くの季節を過ごしたことは素晴らしかった」とイーリー。今後は社内のデザインチームが手がける。
2009年秋、新クリエイティブディレクターにCedric Charlierを起用。10月3日の2010年春夏パリコレクションで最初のコレクションを披露。Cedric Charlierは4シーズン務めたあと2011年3月に辞任。後任の新アーティスティック・ディレクターはLiu LingとSun Dawei。二人はレディス・メンズ・子供服およびアクセサリーも担当。最初のコレクションは9月27日に開く2012年春夏パリ・コレクション。Liuは中国・ハルビン出身の32歳。Sunは中国・大連出身の29歳。中国でファッションの勉強を始め、パリのChambre Syndicaleで出会い、Liuはバレンシアガとイヴ・サンローラン、SunはLolita Lempickaとバレンシアガにジョン・ガリアーノを経て、2009年に、自分のブランド、Belle Ninonを開始していた。
デザイナー
Cedric Charlierは31歳。セリーヌでキャリアをスタートし、マイケル・コース、ジャン・ポール・ノットを経て、過去6年間はアルベール・エルバスとランバンを手がけていた。
日本展開
日本では1998年から、三喜商事によって展開されていたが、伊藤忠ファッションシステムが日本におけるマスターライセンシーを獲得したことに伴い、2004春からサンエーインターナショナルがサブライセンシーを得て、展開。2005年春からはキャシャレルのヤングターゲットのニューラインとして、「ベイビー・ジェーン・キャシャレル(Baby Jane Cacharel)」を発売。2005年4月16日、青山に国内最大のフラッグシップショップをオープン。
公式サイト
cacharel 英・仏語から選択
コレクション、香水、デザイナーの紹介など。壁紙をダウンロードできるコーナーもある。
日本語サイト
キャシャレル (サンエーインターナショナル内のページ)
ブランドコンセプトなど。
ショップリスト
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青山店 東京都港区南青山5-5-6 TEL 03-5467-3119 営業時間11:00-20:00 不定休
路面店
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インショップ
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銀座三越4F 東京都中央区銀座4-6-16 TEL 03-3561-1120
有楽町阪急 4F 東京都千代田区有楽町2-5-1 TEL 03-3575-2245
新宿伊勢丹4F 東京都新宿区新宿3-14-1 TEL 03-3351-8239
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名古屋PARCO西館3F 愛知県名古屋市中区栄3-29-1 TEL 052-264-8183
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