LANCEL ランセル France.

解説・歴史

ランセルの創業は、1876年。フランス、パリで、喫煙具商として始まった。創立者はアルバート・ランセル(Albert Lancel)。この店は成功し、ランセルの名前は広く知られるようになる。19世紀末には、ランセルの店は、支店も含め、喫煙具や水晶、磁器、金および銀器を購入するコスモポリタンであふれた。1929年、ブティックはパリのオペラ通りに移転。現在では、ヨーロッパ以外にもアジア、アメリカなど世界中で1000を越えるブティックが存在する。

ランセルの革製品はその滑らかさと、エレガンスなデザインで知られている。さらに、ランセルのイメージは年代ごとに変化し、会社自体もその誕生の精神から革新性、発明の精神が尊重されてきた。1930年代には同社は、フランスで初めてオートマチック・ライターを製作・出荷。また、後にカンガルーケースと呼ばれるようになる、スーツケースの外側にポケットをつけたソフトバゲッジを開発。いち早く素材に合成製品も使用。革が中心だったラゲッジ業界に、一大革新をもたらした。

1997年、リシュモングループに入り、ブランドイメージをリニューアル。日本でもライセンス契約を打ち切り、ラグジュアリーブランドへとイメージを刷新した。現在では、リシュモン・ジャパンによって日本でも展開されている。

.2002年7月27日、銀座に日本で唯一の直営路面店をオープン。現在ではF1、ルノー・チームのラゲージ関係もサポートしている。定番シリーズ、小ぶりの筒型バッグ「エルザ」も有名。

2003年に「アメリ」シリーズを銀座店のみで限定発売。キャンバス地にパリの地図が印刷されたもので、これは同社が1950年代にクリスマスカードの柄に採用したもの。ハンドバッグ、トランク、帽子、傘、レインコートまで幅広く展開している。

ランセルといえば、老舗のラゲッジメーカーというより、私の中では80年代から90年代にかけて、ライセンスで行われた金や銀の刺しゅうを用いた派手なジーンズが思い浮かびます。当時はフィッチェと並んで、ヤンキー御用達のデニムでした。なので、私にとっては敬遠していたブランドだったのですが、リシュモングループ入りしてから、ライセンス契約も打ち切り、上質なラグジュアリーブランドへの道を歩んでいるようです。その象徴が銀座店であり、歴史のあるブランドは、一時期落ち込むことがあっても、このように復活する例もあるので見逃せません(それが面白いところでもありますが)。2003年のアメリは、ちょっとしたブームも巻き起こしました。

しかし、2004年7月末に日本市場から撤退。銀座店は同じリシュモングループのヴァン・クリーフ&アーペルが移転する予定。

2008年10月リシュモン ジャパンは住友商事と共同でランセル ジャパンを設立。ランセルブランドの日本における独占輸入販売を行う。新会社設立にあたり、住友商事が7割、リシュモン ジャパンが3割を出資。ランセル ジャパンは今後5年間で、全国の百貨店を中心に、銀座、青山、大阪、名古屋など主要地域では旗艦店も含め、40-45店舗の新規出店を予定。

2009年6月11日、新ストアコンセプトとしては日本初となる旗艦店を六本木ヒルズのけやき坂にオープン。ストアデザインを手がけたのは、フィリップ・スタルクの右腕として活動ののち1993年に独立、世界中のトレンドスポットのデザインを数多く手がけるクリエーター、クリストフ・ピエ。「アート・ギャラリーのように、様々なストーリーや秘められた豊かさに満ちているバッグ・ギャラリー」というコンセプトのもと、「ランセル」の歴史と創造性を余すところなく表現した。「このブティック内は、レザーグッズという商品だけではなく、ランセルが織りなす宇宙に浸ることができる。このコンセプトの目的は、ランセルの商品の品質や創造性を引き立てるような、クラシックで洗練された雰囲気を作り出すこと。流行に流されることなく、歴史と時の流れが感じられる空間になったと思う」とクリストフ・ピエ。

2009年秋スタイリッシュでタイムレスなデザインの新バッグライン「アンジェリーナ」を発売となる。上質なレザー素材ならではのフォルムと美しいカラー、そしてリーズナブルなプライスが特徴。カラーバリエーションは全12色。内側のライニングにはパリジェンヌがパリの街を楽しむ様子を描いた、ランセル特注のトワル・ドゥ・ジュイ柄の生地を使用。この生地は外側の革の色にマッチした4種類が用意されている。

2010年秋、「プルミエ・フラート」「アンジェリーナ」に続く新シリーズ「ブリジット・バルドー」を発売。新シリーズは、フランスの女優ブリジット・バルドーとコラボレートしたバッグで、彼女の細いウエストやボディラインをイメージしたデザインを採用、裏地には彼女の大好きなギンガム・チェックを用い、スマートフォンを入れる機能的なポケットもつけた。また、動物愛護活動をしている彼女からの強い希望で、オーガニックコットンや人工スエードを採用。2種類の素材と、計11色のカラーバリエーションから選べ、今後もシーズンごとに新色・新素材が販売される予定。

2011年9月10日、これまでの六本木ヒルズ店から、旗艦店を銀座に移転。ショップのコンセプトは六本木ヒルズ店と同じく「バッグ・ギャラリー」。定番シリーズの「プルミエ・フラート」「アジャーニ」「ブリジット・バルドー」に加え、今回銀座店オープンに合わせ、新シリーズ「ダリグラム・コレクション」を発表。新ライン「ダリグラム・コレクション」は、スペインの天才画家「サルバドール・ダリ」が最愛の妻ガラのために作り上げた2人だけの間に通じる愛の文字「ダリグラム」がモチーフ。バッグには「ダリグラム」がデザインされ、8つの「ダリグラム」それぞれに意味が込められている。バッグは、コットン素材の「エンブロイダリージャカード・コレクション」とレザー素材の「エンボスレザー・コレクション」の2ラインで展開。

公式サイト
Lancel(英語・仏語)
 

ショップリスト

旗艦店
銀座店、東京都中央区銀座3-3-12銀座ビルディング1階、営業時間11:00‐20:00

インショップ
松坂屋名古屋本店、阪急うめだ本店。

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