Ermenegildo Zegna エルメネジルド・ゼニア Italy.

解説・歴史

ゼニアはもともと、北イタリアで1910年テキスタイルメーカーとして創業。初代エルメネジルド・ゼニアの父、アンジェロ・ゼニアは1859年に、農家に生まれ(1923年没)、時計職人となり、やがて毛織物を手がけ、フレッチナ地区で織物製造会社を設立した。45歳のとき、火事で工場を焼失。トリヴェロに移って工場を再建、技術的な研究に取り組んだ。

この父親から20歳で家業を受け継ぎ、近代的な企業に育て上げたのが、グループの創業者エルメネジルド・ゼニア(1892-1966)。職業繊維学校に学んだエルメネジルドは、1930年、最新の英国製紡績機による高品質毛織物の生産を始め、自分のトレードマークで国内および国際マーケットに進出。顧客のみならず第一線のファッションデザイナーに供給できる流通機構を作り上げた。

1968年、エルメネジルドの二人の息子、アルド(現会長)とアンジェロ(現社長)が事業を継承。紳士服地で確固たる地位を築いたあと、ゼニアは服地だけでなくメンズプレタの分野にも進出。「最高の素材は優れたデザインを、最高のデザインは優れた素材を求める」というデザインポリシーのもとに、スーツ、ジャケットからスポーツウエアまでの各種製品は国際的評価を得て、トータルメンズブラントとしてのゼニアの名を不動のものにした。業界で初めて、服地の耳にブランドネームを織り込んで品質を保証したことでも知られる。素材の開発から縫製まで一貫して自社のファクトリーで手がけ、原毛の買い付けから、紡績、染色加工、製品化までトリヴェロの工場では一貫した自社生産が行われている。

1980年代に入るとゼニア家の第三世代が経営に参画。アルドの息子パオロが服地部門、アンジェロの息子のエルメネジルド(通称ジルド)が既製服部門のそれぞれ総責任者に就任。ジルドの妹アンナがグループ全体のイメージと全世界のコミュニケーションを総括、さらにアンジェロの末娘ベネデッタが販売スタッフのトレーニングと直営店、フランチャイズ店のプロモーションを、パオロの姉、ローラが環境保全部門を担当する。「より伝統的に、より革新的に」をモットーに発展を続けてきたエルメネジルド・ゼニアグループは現在従業員3,800人。初代がブランドの確立、二代目が小売りへの進出、三代目が小売店の世界展開と、常に先見性を打ち出してきたオーナー型企業である。2002年の売上は6億6000万ユーロ。

日本では1977年、ゼニア・ジャパンが設立され、「エルメネジルド・ゼニア」ブランドのメンズウェアと「アニオナ」ブランドのレディスウェア、服地の輸入卸、販売を手がけていたが、アニオナは2005年秋冬から三喜商事に移管された。

1996年秋、銀座に直営の旗艦店オープン。1998年春夏からは、ライセンス商品として三陽商会との共同開発によるイタリアンスタイルのカジュアルドレスアップウェアとして、E.Z BY ZEGNA(イーズィー・バイ・ゼニア)ブランドをスタート。25歳をコアにファッション感度の高いヤング層がターゲット。2001年9月にはE.Z BY ZEGNA初の旗艦店(東京都渋谷区渋谷1-22-10)が渋谷にオープン。

2002年9月、フェラガモと共同でフィレンツェに新会社「ZeFer(ゼフェル)」を設立し、シューズのコレクションもスタート。シューズは2003秋冬から「エルメネジルド・ゼニア」のブランドで発表され、日本では9月から発売開始。服に合わせて靴でも「ナポリクチュール」、「サルトリアーレ」、「ソフト」、「ゼニア・スポーツ」の4ラインが提案されている。

また、現在は映画 「戦場のピアニスト」でアカデミー賞主演男優賞を受賞したエイドリアン・ブロディが、モデルを務めている。アカデミー賞やゴールデン・グローブ賞の授賞式にも、同ブランドのタキシードを着て出席した。

2011年5月、Alessandro Sartoriが8年務めたZ・ゼニアのクリエイティブディレクターを辞任。後任はジル・サンダー・メンズウェアのヘッド・デザイナーだった、Paul Surridge。

ゼニアのラインには、最高級なファブリックをテーラーメード感覚に仕立てた「サルトリア・コレクション」とドレスアップカジュアルがコンセプトの「ソフトコレクション」などがある。サルトリアーレコレクションは、伝統的なテーラード仕上げでフォーマルな品格を表現。美しい色合いをかもし出す格調高い素材が特徴。ソフトコレクションは、ビジネスの場でもより快適で自由な着こなしを提案。また、スポーツコレクションはアクティブなカジュアルウエアからシティカジュアルまで大人のカジュアルを提案。特にゼニアが独自に開発した防水性を持つミクロテネブルゾン、通気性と保温性という相反する特徴をあわせ持つ素材、ツインテックのスウエットウエアが好評。

ゼニアの特徴の一つがオーダーメードである「ス・ミズーラ」(イタリア語で「あなたのサイズに合わせて」という意味)と呼ばれるシステム。「ス・ミズーラ」はパターンオーダーだが、生地選びから仕上がりまでのプロセスに、ゼニアのポリシーにのっとった独自のノウハウが生かされている。まず約450種(定番250種とシーズン200種)のファブリック(生地)と、100種類以上のモデルから自分の好みを選ぶことが出来る。基本的な採寸の後、サイズに近いマスターガーメントを着用して補正を加え、作成されたデータは、イタリア(またはスイス)のス・ミズーラ専用工場に送られ、仕立てられる。受注から納品まで約3-4週間。オーダー可能なアイテムはスーツのほか、ジャケット、コート、ベスト、トラウザーズ、フォーマルウエア、ドレスシャツなど。

ゼニア ジャパン 東京都港区北青山2-13-5

公式サイト

Ermenegildo Zegna (英語・伊語・日本語) コレクション情報や、ニュースのコーナーなど。

ゼニア・ジャパン 日本語

ショップリスト

旗艦店
銀座店 東京都中央区銀座5‐6‐12 Tel 03‐3575‐0646 11:00‐20:00 無休
全世界のゼニアショップ同様、イタリアの建築家ジャンマリア・べレッタの手により、ゼニア家の別荘をイメージ。ライムストーン(石灰石)の床、ナチュラルウッドの陳列棚、イタリア・カペリーニ社のカラフルなテーブルやソファーが店内に置かれる。1階はカジュアルやネクタイ、シャツ、小物、ホームウェアなど。2階にスーツ、ジャケットにオーダーのコーナーもある。

直営店
青山店 東京都港区北青山2-13-5 03-3405-4130
大阪店 大阪府大阪市中央区心斎橋筋1-2-21 06-6243-1550

百貨店インショップ
新宿伊勢丹新館5F 03-3357-2454
池袋東武5F 03-3982-6538
渋谷西武B館5F 03-3462-3192
銀座松屋5F 03-3567-6134
日本橋三越2F 03-3241-3380
玉川高島屋本館4F 03- 5716-6702
梅田阪急5F 06-6361-4955
大阪高島屋5F 06-6630-5371
札幌三越5F 011-222-8279
札幌丸井今井一条館4F 011-205-1532
藤崎4F 022-223-5496
新潟伊勢丹4F 025-242-3586
浦和伊勢丹4F 048-825-6050
船橋西武6F 047-423-7885
横浜そごう5F 045-465-2609
名古屋松坂屋6F 052-264-2022
名古屋三越5F 052-263-0811
京都大丸5F 075-241-7015
神戸大丸6F 078-333-2426
神戸そごう7F 078-222-4441
廣島そごう新館2F 082-225-1219
博多大丸5F 092-733-8047

Home | Brand Index